日銀は10月19日、政策金利を0.5%から0.75%に引き上げることを決定しました。これにより、約30年ぶりに1995年以来の高水準となりました。この利上げは、円安進行によるインフレ加速の懸念や、企業の賃上げ見通しを理由としています。日本経済へのトランプ米政権の関税の影響は予想より小さく、企業の収益への影響も限定的と日銀は判断。

高市早苗政権の発足に伴う円安進行も、利上げの一因となりました。利上げにより住宅ローンの金利が上昇する一方で、家計や企業の預貯金の利息が増えるという状況が生じています。日銀は、景気を中立金利の範囲内に保ちつつ、さらに利上げを続ける可能性を示しています。

日本銀行の政策金利引き上げは、表面上はインフレ抑制に向けた適切な対応として理解できるが、その背後には深刻な制度的問題が潜んでいる。トランプ政権の関税政策や、高市早苗政権の政策による影響があるにせよ、本質的な問題は、経済政策が短期的影響に過度に左右されることにある。具体的には、金融政策が自動車産業を含む一部の業界に与える影響を過小評価すること、そして急激な円安による消費者物価への負担が無視されがちな点が挙げられる。この状況を改善するためには、まず1つ目に、金融政策の長期的ビジョンを明確化し、市場と共通認識を構築することが必要だ。

次に、日本銀行は経済指標のみに依存するのではなく、実態経済の多様な声を反映させるシステムを構築すべきだ。そして3つ目に、財政政策と金融政策の整合性を持たせ、国民が安心できる持続可能な経済基盤を整えるべきである。短期的なインフレとの闘いが重要である一方で、真に価値ある政策は、長期的に経済の安定と成長を促進するものでなければならない。

ネットからのコメント

1、今回の利上げは、景気を冷やすためというより、円安とインフレをこれ以上放置できなくなった結果だと思います。トランプ関税の影響が想定より限定的で、賃上げも一定程度見込める中、据え置きを続ければ円安がさらに進むリスクの方が大きかったのでしょう。一方で、住宅ローンや中小企業への影響は避けられず、「景気に配慮しながらインフレを抑える」という難しい舵取りが続きます。0.75％でもまだ緩和的とはいえ、今後の利上げペース次第では家計の実感は大きく変わりそうです。問題は利上げそのものより、賃上げが本当に持続するのか、物価高に追いつくのか。金融政策だけで解決できない局面に入ってきた印象です。

2、今回の利上げ判断は「春闘で十分な賃上げが行われる」という前提に立っていますが、その賃上げがどこまで広く、どれだけ実質的に届くのかは別問題です。実際に賃上げの恩恵を受けやすいのは大企業・正社員が中心で、中小企業、非正規、年金生活者には波及が遅れがちです。一方で利上げは、住宅ローン金利や企業の借入コストとして先に家計や中小企業を直撃します。円安インフレを抑えるための利上げという理屈は理解できますが、賃金上昇が「平均値」で語られ、負担が「個別」に降ってくる構造は危うい。賃上げが確認される前に金融を引き締めれば、実質賃金が改善しない層ほど締め付けられます。利上げが成功するかは、市場ではなく、庶民の手取りが本当に増えたかで評価されるべきです。

3、植田総裁が会見で示す利上げペースやターミナルレートに注目ですね発言がハト派と受け止められれば円安が一段と進む可能性があるので慎重に発言して欲しいです‥日本売りを食い止めるためにも説得力のあるビジョンや道筋を示すことが大切ですかねあと物価安定は国民生活に直結する日銀の本来の役割ですから着実に取り組んでください！

4、各方面との調整に時間がかかるのだろうけれど、決断が遅すぎると思う。これで、円高が進み、物価上昇が止まるといいけれど。円が安くなると、日本の庶民は困るばかり。なんとか、金利引き上げが、インフレ対策になるよう、祈っています。物価が下がらなければ、さらなる利上げも必要かと思います。