【事件概要】
2025年8月2日午前5時半ごろ、静岡県沼津市の門池公園内にある灌がい用のため池で、15歳の男子高校生2人が溺れて死亡した。1人が水遊び中に急な深みに足を取られて沈み、それを見た友人が手を差し伸べた際、一緒に引きずり込まれたという。
現場の池は水深最大6メートルで、縁から垂直に深くなっている構造。事故当時、現場には少なくとも5人の同世代の友人がいた。類似の水難事故は過去にも繰り返されている。
【コメント】
なぜまた、同じ過ちが繰り返されたのか。子どもたちの命を奪ったのは単なる不運ではない。門池のような灌がい用のため池には、縁から数メートルで6メートルの深みに落ち込む危険な構造がありながら、柵や警告標識などの安全対策が徹底されていなかった。これは明らかに行政の怠慢であり、安全管理の欠如による人災である。
問題の本質は、農業・防災インフラと市民憩いの場を兼ねるという中途半端な管理体制にある。危険構造を持つ池を「公園」として開放する以上、それに応じた安全設計と法的整備が不可欠だ。
解決策として、①すべての灌がい用ため池における安全フェンスと明示的な警告看板の設置義務化、②年次点検とリスク評価の義務付け、③地域住民と連携した水難教育と避難訓練の実施が急務である。
命は戻らない。しかし、制度を変えることはできる。
「想定外」はもう通用しない。人の命が二度と水底に消えることのない社会を作るために、今こそ変革が求められている。
ネットからのコメント
1、そこにいた全員が高校のボート部員とのこと。普通よりは水に慣れてると思われますし体力のある年齢。そんな子達が流れのないため池で岸までの数mほどを泳ぐことすらできず浮いていることすらままならない状態に陥るとは。。。池に落ちてカッパに引きずり込まれる昔話がありますがまさにそんな光景を想像していまいます。同年代の子を持つ親としては親御さんのお気持ちは察してもあまりありますし深く考えさせられる痛ましい事故です。
2、池などに落ちたときにどう自分の命を守るかについて義務教育に取り入れるべきなんじゃないですかね。人の助けなど借りなくたって、気道確保できる姿勢さえとることができれば自分で自分の命は守れるんでしょう。特に流れのないため池のような環境なら。近年学校のプール廃止でなお一層こういった事故は将来に向けて増えていくんでしょうね。もちろん泳ぎ方を知っていたところで着衣のまま池に落ちればパニックに陥るでしょうけど、泳ぎ方さえ知らなければリスクは増すよ。
いっそ水難事故に遭った時のために気道確保するための実技演習だけでも義務教育に盛りこめたらいいのにねえ。
3、ため池などは一見して緩やかな斜面であっても、一度落ちれば、苔や泥で滑って自力では登れないそうです。以前、紹介されていた救助方法は、空のペットボトルに水を少しだけ入れて紐に結び、溺れている人に向かって投げるというものでした。ペットボトルに少し水を入れるのは、そのほうが飛距離を出せてコントロールも出来るからだそうです。
4、現役のライフセーバーです。よくある誤解 ”浮いて待て” についてです。基本的に淡水の場合、”浮いて待て”は不可能です。実際には”浮けません”海で浮けても川や池では浮けません。例えるなら仰向け大の字で脱力した場合で、海水の場合は耳位まで浮くのに対して淡水の場合は唇は出る程度をイメージしてください。出来る事は・浮力のあるものを投げ入れる・助けを呼びに行く位でしょう。足元が滑るのでヒューマンチェーンも難しいと思います。小学校で着衣水泳の体験も行われていますが、”浮いて待て”を教える側は違和感を覚える事が多いです。
最近では水辺では子供や釣客のライフジャケットの装着率がかなり上がっています。昔は泳げない奴のダサい装備でしたが、最近では楽しく遊ぶための装備になりつつあります。ただ、その背景には親も子供も泳げない率が急激に上がっています。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/8e9d39d6c46ed7cce4e818baceaa3c86c7d67907,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]