静岡県熱海市で2021年7月3日に発生した土石流災害では、28人が死亡し、甚大な被害をもたらしました。土石流の原因とされる45メートルもの高い盛り土は、県の指針を大幅に超過しており、更には産業廃棄物も混入していました。この盛り土は2007年に前所有者が計画して造成したものですが、法規制が形骸化しており、行政が適切な対応を取らないまま、2011年には土地が現所有者へ売却されました。その後、増加する降雨量が崩壊を招いたとされています。県と市は盛り土の危険性や防災対策の必要性を認識していたにも関わらず、責任の押し付け合いや制度の運用ミスにより、事態を未然に防ぐ対応が取られませんでした。

この災害を振り返ると、責任の所在不明や制度の欠陥が浮き彫りになります。災害に関わる訴訟は現在も続いており、被害者遺族はその責任を追及しています。
気候変動に伴う激しい雨による影響を受けやすい日本であればこそ、安全対策を怠ることは許されません。前所有者と現所有者が自身の責任を回避する姿勢、さらに県や市が「お見合い状態」に陥った結果、多くの命が奪われた事実は重大な問題です。まず、盛り土に関する法規制を見直し、具体的な高さや材質の基準を全国で統一するべきです。次に、行政間での権限と責任範囲を明確化し、対策実施が停滞しない仕組みを導入する必要があります。そして行政機関、土地開発業者、市民が共に連携し、防災対策を義務化して進めていくべきです。
行政と企業の利害調整により、本来守るべき住民の生命がないがしろにされたことは、私たちの社会の価値観の歪みを現しています。再び同様の悲劇を防ぐためには、一刻も早く改革が必要です。この犠牲を無駄にしないため、責任を追求するとともに、未来を守る実効的な対策を求めていきましょう。
ネットからのコメント
1、防げた事故でしょう。県と市の判断にも過失があると思うし、前・現所有者にも過失があると思います。過失の割合がそれぞれどの程度になるのか、そこが争点になってほしいところ。
何も悪いことをしていない被害者やその家族が納得できる判決がでることを祈る。
2、この盛土の問題で本質なのは、一時期注目されたもののその後報道されなくなった「不可解な砂防指定範囲設定」だと考えます。まず、地形・地質条件から見て、あの場所への盛土は、適正に行われても同様の被害が起こり得る立地でした。実際、公共工事の盛土でも、地形・地質の条件次第で大規模崩壊により土石流を発生させた例があります。また、当該地点の渓流や周辺は「土石流危険渓流」に指定され、下流側には「砂防指定地」と砂防堰堤がありました。砂防堰堤の設計の前提は、渓流上流からの土砂流入量なので、通常なら渓流頭部への盛土はまず許可されない立地なのです。ところが静岡県は極めて不自然にこの範囲を指定範囲から外して申請し、旧建設省から追加指定を指導されても、適当な言い訳をして不作為を通しました。ここが問題の本質です。通常の適切な考え方で砂防指定がなされていれば、そもそも盛土自体が存在し得なかった可能性が高いからです。
3、違法行為を黙認していても自分の任期中に何も無ければそれで良い、とするのが公務員ではないかと思っている、生命や財産の保護を図るための事前防止策を講じることなく、事故が発生して多数の生命財産が犠牲になってからしか動かないというか、そうなっても許可・黙認した事項は先任者のことであるため認めたくはなく、複雑な事務手続きを経るなど当該事項の責任を取ることは未来の後任者に任せたいという事になってくるのではないかと思っている
4、個人的には、河川管理者である県の責任が大きいように思う。平成11年に砂防堰堤を設置した際に、それより上流部分を河川区域から除外しているのではないか?その結果、当該区域に土盛りが行われ、その土砂が崩壊し、砂防堰堤の能力を超える土砂が流出したということだと思う。砂防堰堤を設けるということは、その上流からの土砂の流出を防ぐためであったはずなのに、その上流部分を河川区域に含めていないのは変だと思う。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/60bc7e9acd4616f613f1bccc3a8f53c774362f01,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]