陸上自衛隊で性被害を受け、2022年に実名告発した元自衛官の五ノ井里奈さん(26)は、2021年8月の被害後、組織と闘い続けた。防衛省の謝罪、元隊員3人の有罪確定を経て、2025年1月には民事訴訟も和解で終結。しかし性被害者支援団体を設立後、自身のフラッシュバックにより活動継続が困難となり閉鎖。精神的に苦しむ中、2025年6月から東京都練馬区のスコーン店で働き始め、店長として新たな生活を歩んでいる。

五ノ井さんの苦しみは、個人の弱さではなく、性被害者が回復まで孤独に耐えなければならない社会の未整備さを示している。巨大組織を相手に声を上げた人が、闘いを終えた後に支援者ではなく支援を必要とする側へ戻ってしまう現実は異常だ。被害者に「勇気ある告発者」であり続けることを求める社会こそ見直されるべきである。

問題の本質は、被害発生後の救済だけでなく、長期的な心理ケアや生活再建を支える制度が不足していることにある。性被害の傷は裁判や謝罪だけで消えるものではなく、時間が経ってから深刻化する場合もある。それにもかかわらず、被害者自身が支援活動まで背負わなければならない状況は、制度の責任放棄と言わざるを得ない。

必要なのは、第一に専門的な心理支援を長期間無料で受けられる仕組みの拡充。第二に、職場復帰や就労支援を被害者の状態に合わせて提供する制度整備。第三に、組織内部で被害を隠さず迅速に調査する独立機関の設置である。

声を上げた人だけが傷つき続け、加害の背景を生んだ環境が変わらない社会では、同じ悲劇は繰り返される。
守るべきなのは組織の体面ではなく、人の尊厳である。被害者が戦い続けなくても救われる社会こそ、本当に成熟した社会だ。



ネットからのコメント
1、自衛隊のセクハラ告発は社会的意義があったと思います。性暴力防止の団体運営は、PTSDの問題があるだけでなく、長く続ければ他の政治団体から影響を受けて偏向したり先鋭化したりする難しさもあります。そういった観点で、全く関係ない分野で前向きにキャリアをやり直すのを選んだのは賢いです。
スコーン屋なら消費者に近く、知名度を生かして応援してくれている人達にもリーチできるし良い選択だなと思います。
2、スコーン屋さん行ってみたい。元気な姿が見たい。一人で抱え込まなくてよかった。みんな味方です。武道をやっていたなら刑務官や警察官も良いと思う。居場所が見つかって良かったと思う。
3、彼女みたいに心の強い人が本当に自衛隊に必要だったと思います。一度スコーンを食べに行きたいものです。遠い土地から応援しています。くれぐれも頑張り過ぎないように。
4、とても大変な被害に遭われたのに、これを背負い、メディアに露出する事で自分の受けたような犯罪が無くなることを切に願っているのでしょう。そこまで深い想いがあるのかはわからないけれど、この方を見て、勇気付けられた人や一歩踏み出せた人も多いのではないだろうか?女性が訴え易い風土作りだけではなく、性犯罪を起こさない男性側(加害側ね)の取り組みも必要だと思う。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/940ec8818bf692bb561ef0d202ae05e2ee11ef82,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]