関西学院大学が一般選抜枠を拡大する取り組みは、少子化に伴う大学の動向に逆行するものである背景を持つ。2020年度には一般入試の合格割合が34.6%まで縮小したが、2025年度には53.1%に拡大。一般入試の志願者数も5年連続で増加し、過去最多の5万6,000人を超えた。この方針転換には大学の「ブランド復権」の意図がある。
総合型選抜や推薦入試が増加する中、関西学院大学はペーパー試験の価値を再評価。この動きの背景には、入試バランスや受験生の多様性を重視する考えがある。

関西学院大学の一般入試枠拡大は、今日の大学入試制度の中で特異な動きとして注目される。年内入試が主流となる中で、一般選抜枠の拡大は逆行とも言えるが、この選択が示すのは大学ブランドへの自信と確固たる教育理念である。一方、各大学が評価基準の曖昧さに直面し、推薦や総合型選抜の限界を模索している現状で、関西学院大学が打ち出した方向転換は、他の多くの私立大学が踏み出せない領域への挑戦とも受け取れる。
この大学の試みは、高等教育が社会に与える影響を再考する絶好の機会である。選択の背景には学生の多様性の重視があることは明確であり、それこそが今日の変化する社会において、学生自身が価値を見出す瞬間に繋がるだろう。
解決策として、以下の点が考えられる。まず、全国に広がる情報の透明性を確保し、学生や教育関係者が納得できる基準を設定することだ。次に、受験生や教育現場との対話を重ね、入試制度の柔軟性を追求すること。そして最後に、多様性を促進する教育プログラムの開発を進めることで、学生が自らの可能性を広げられる環境を提供することである。
このように、大胆な選抜方法の変更にはリスクが伴うが、その実現により得られる価値は、受験生の学ぶ姿勢を進化させ、知識を広げる“居場所”となることだ。関西学院大学のこの動きは、新しい教育の未来を形づくる一歩である。
ネットからのコメント
1、総合型選抜、学校推薦型選抜が幅をきかせて、いかに楽に年内に終わらせるかに重きを置いている高校生が溢れてきている現状で、逆行するのは立派。英断だと思う。一般選抜で最後まで頑張り抜く生徒をしっかり確保してほしい。全てをAO入試にするとか言ってる東北大とは真逆の発想。東北大のAO、模試では金岡千広が難しい判定の生徒が合格している。受験の多様化と言ってしまえばそれまでだけど、大学受験とは何なのかよくわからない時代になってきている。
2、一般入試に絞った方が公平に思う。関関同立なら受験生の確保は問題ないでしょう。それよりも以下の様な事がありました。ある優秀な生徒が学校推薦を希望した。そこに武道をやっている生徒も同じ学校の推薦を希望してきた。学校の知らない場で優秀な生徒に武道をやっている生徒が推薦を譲って欲しいと交渉(強要)した様だ。優秀な生徒は一般入試にまわり、武道をやっている生徒が希望大学に合格し、優秀な生徒がランクに劣る大学に決まった。この様なことが色んなところで起こっているのではないかと心配する。
3、関学は頑張ってほしいです。子どもが地方の県立校でしたが、マーチや関関同立の指定校の中で「とりあえず関学はもらえる」という状態でした。求められる評定も他に比べ低く、関大は指定校はあったかは不明ですが、早慶とマーチと関同立はあって、希望者が上から貰っていき、関学は余っていました。私は関西に住んでいたことがあるので、学部によりますが関学は関大立命館より上のイメージでしたので、驚きました。指定校組を入れるなら絶対に一般の高校生を入れた方がいいです。
うちの下の子も一般では絶対に無理な大学の推薦をもらったので大きなことは言えませんが。指定校も普段の勉強とか部活とかを頑張っている、という人もいますが、それは上位国立大学の話ですよ。推薦も必要ですが一部であって一般入試がメインというのが健全な気がします。
4、一般入試枠、やはり大事だと思います。高校ごとの成績の付け方に違いがあったりと、なかなか総合選抜の背後にある事柄まで全て把握することは難しい。一般選抜であれば、大学側が作成した入学試験の趣旨に沿う学生を受け入れることができることからすれば、やはり一般入試は大事だと思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/e9b33c038b07350ba1dc552a7732174896355bc4,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]