2023年12月24日、東京地裁で自治医科大学の卒業生A氏が修学資金約3766万円の一括返還を巡り、大学と愛知県を訴えた第4回口頭弁論が開かれた。A氏は父親の失職、弟の介護、妻の妊娠などの経済的理由から、義務年限中の退職を決意。これに対し大学側は約3766万円の一括返還を要求している。原告側は労働基準法16条違反を主張し、被告側は修学資金と雇用関係の法的区別を主張している。

社会問題として扱われるべきこの事件は、制度の欠陥が浮き彫りにされている。自治医科大学の修学資金制度は、経済的困窮に対する配慮を欠き、医師としての退職自由を著しく制限している。現在の制度は、へき地医療の必要性を背景に始まったものだが、その制度設計は現代の社会状況に適しておらず、改善が求められる。
まず、修学資金の返還条件において、経済的困窮や家庭の事情を考慮に入れる柔軟な制度設計が必要だ。第二に、地方公務員としての制約を持ちながら医療に従事する者が適切な収入を得られるよう、制度の見直しが求められる。さらに、地域医療を支える体制づくりのために現場の経済的余裕を確保し、医師が安心して勤務できる環境を整備すべきだ。
現行制度は、一見すると問題の解決策かもしれないが、深層に目を向けると制度の欠陥が鮮明だ。
永続的な解決には、問題を根本から解決する視点が不可欠である。この判決が制度の見直しを促し、より公正で持続可能な医療制度創出の契機となることを期待したい。
ネットからのコメント
1、入学前に自身がシステムを理解して希望した上で入学したのでは?このような訴訟が罷り通れば自治医の役割はなんだったというのでしょう。入学時に40万円の支度金も支給され勉学、学生生活の準備も整えることが出来たはずです。もう一度自治医受験した時に立ち戻りよく考えたら良いと思います。
2、僕は私立医学部に合格したが、普通のサラリーマン家庭のため、進学をあきらめた。自治医科大学にいったことで医師免許をとれたわけだから、学費を払わなくてよい代わりに医師免許を返上するなら、認めてあげてもよいだろう。3800万も教育に費やしてくれたから医師免許が得られたのだから。あくまで医師免許返上が条件。いやなら自分で学費が安い国立大医学部に入学しなおしたらよい。根本的に主張が間違っている。自治医科大学はそういう大学だと納得して入る大学。防衛医科大や産業医科大もおなじ。
私立医科大なら受かっても、お金がなくて、仕方なく国立他学部に行き医師になれなかった人間からしたら勝手な言い分でしかない。腹が立つ。銀行から借金して返したらよい。医師なら貸してくれる。
3、防衛大学の「任官拒否」に似ていますね。各都道府県の「税金」が投入されています。「いつか戻って、へき地医療に従事してくれる」から税金を出しているのに、それを「悪魔のような制度」というは納税者に失礼でしょう。この大学を志望している人達は「高校生らしからぬ高い志」を持っていて、驚いたことがあります。事情はあるにせよ、その人達にも失礼でしょう。「ごね得」が許されれば、自治医科大の存在意義が無くなると思います。
4、日本一の学費がかかる私立医大卒業の医師です。残酷ながら同級生は県からの奨学金を貰いながら学業に励んでいましたが留年と同時に支給が止まり自主退学となりました。また学費負担者の親が急逝し学費が払えず自主退学した後輩もいました。それぞれの特性とリスクを判断して進学する大学を決めることは必要と考えます。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/4328a761f35a77d44c0877ac3ba45bc71292cad8,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]