政府が再び裁量労働制の拡大を目指す中、過去の問題や現状の課題が顕在化しています。この制度は、業務に裁量がある労働者に対し、働いた時間にかかわらず一定の給与を支払う仕組みです。しかし実態として、多くの労働者が「みなし時間」を超えて働いており、厚労省の調査では週60時間労働者の割合が裁量労働適用者で9.3%、非適用者で5.4%と大きな差があります。加えて、業務内容や量に対する裁量が制限されているケースも多く見られます。これにより「定額働かせ放題」と批判される状況が続き、過去には統計の改ざん疑惑も浮上するなど、問題が解決されないままです。20日の演説で示される見直し案が、これらの実態に応えているのか注目が集まります。
この裁量労働制の問題は、現行の労働環境が抱える構造的課題を浮き彫りにしています。労働者が長時間労働を強いられる現状は、働く人々の健康や生活への重大な影響を生んでおり、放置すべきではありません。まず、裁量労働制適用範囲の明確化が必要です。すべての業務が裁量の範囲内にあるわけではなく、細かな条件とチェック体制の導入が求められます。
また、労働時間管理の厳格化や、第三者機関による監査制度を導入することで、過剰労働を是正できるでしょう。最後に、裁量労働制の労働者に適した報酬制度の再設定が不可欠です。
この問題は、労働の自由を盾に、労働者の犠牲を求める歪んだ価値観の表れです。公平な制度設計ができないのなら、裁量労働制そのものを縮小すべきです。改革の痛みを避けていては、持続可能な社会は築けません。
ネットからのコメント
1、私の会社は建設系ですが、裁量労働制になったのはもう10年以上も前、毎月の200時間近い残業が40時間分しか支払われませんでした。会社的には明らかに合法的に給与を減らす目的でした。近年、それは問題ということでその裁量労働制は廃止され、残業時間をそもそも短くし、働いた分はすべて支払うという方向性になっています。なぜいまさら裁量労働制が取り沙汰されるのか意味がわかりません。
2、現在管理職は裁量労働制のような扱いであり、始業・終業時刻を厳格に指示されているが実際は時間外、休日出勤をしても関係ない。それなりの給与が支払われていない状況で名ばかりの管理職で会社はうまく利用しているとしか考えられない。
全ての従業員にあてはめてしまうと大変な事になる。
3、以前の会社ですが、入社後すぐに裁量労働という形で手当て5000円で月200時間の残業と休日出勤をさせられました。仕組みを知らない労働側も悪いと言われればそうかもしれませんが、悪用できないような仕組みにして欲しいです。
4、裁量労働制それ自体は、専門職など労働者に裁量があり、決められた時間分の時間外手当を予め支払い、もしその時間を超えれば、されに手当を支給するもの。だけど脱法的採用が横行しているわけです。なので今回「労働者の裁量の範囲」や労働時間規制の定義もいじってくる可能性があると身構えています。例えば、タイムカードを自分が押せたり、自分の記録で勤怠を報告できるなら裁量権があると見なす。時間外規制も、時間数の規制ではなく、裁量労働制なら時間分払えば良く、時間外分の手当は不要とするなど。議論の動向を注視する必要があると思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/4be13fb8eaf81117932ac62c46b5122cbc8642ad,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]