2025年上半期(1月~6月)の病院・クリニックの倒産件数は21件で、前年同期比16.6%増となった。この増加は、特に病床20床以上の病院で顕著で、倒産件数は8件となり、前年同期の2.6倍に急増した。特に、従業員50人以上300人未満の中堅規模の病院や、従業員300人以上の大規模病院の倒産が目立つ。
要因として、コロナ禍の影響で始まったゼロゼロ融資の返済開始が重なり、診療報酬の上昇が物価高に追いつかず、医療機関の経営が悪化したことが挙げられる。加えて、人件費、光熱費、物価高、さらには医師や看護師の不足、医療機器の老朽化などが経営を圧迫し、地域医療の中核を担う病院の倒産が相次いでいる。負債額は10億円以上が5件、負債1億円以上5億円未満が8件と報告されている。
現在の日本の医療制度は、根本的な問題を抱えた状態で進行しています。病床20床以上の病院の倒産件数が急増した背景には、診療報酬の上昇が物価高に追いつかない現状、そして医療従事者の不足や施設の老朽化があります。特に、中堅規模以上の病院の経営が厳しく、地域医療の中核となる病院が相次いで倒産している現実は深刻です。
これは単なる経営問題にとどまらず、地方の医療空白地帯を生む恐れもあり、社会的に大きな影響を与える事態です。
この問題の本質は、過去の医療政策の遅れと、診療報酬の制度改革の不十分さにあります。医療機関の経営を安定させるためには、まず、診療報酬の見直しを行い、物価上昇や人件費に対応した適切な支払いを実現するべきです。また、医師や看護師不足の解消に向けた働き方改革や、医療設備の更新を促進するための助成金制度の強化も急務です。さらに、地方自治体は地域医療を支えるための独自の支援策を講じ、地方の医療空白地帯を防ぐための具体的な施策を進めるべきです。
これらの問題に対する対応が遅れれば、医療崩壊が現実のものとなり、最も影響を受けるのは地方住民です。今こそ、医療制度の根本的改革を行うべき時です。
ネットからのコメント
1、病院でいち職員として働いてますが、未来がない業界だなと感じてます。少し前に医療政策を担う方の講演を聞きに行きましたが、医師・看護師ともに先進国と比べ大差ない人数だが、病院が多いのが日本って言ってました。今後、人口減が激しい日本ならとりあえず病院がなくなってもOKとの考えなのかなと。病院やベッド数削減が目標値に近づけば診療報酬も適正になるのかな。妻が勤務する全国規模の病院の医師の給料は1500万ほどだそうです。大手企業の賃上げなどに伴い、医師の年収はそこまで高給には感じないと思います。診療報酬は上がらないのに、国からは加算や法的に「この書類が必要」「これらをすることが必要」などやることばかり注文が増え多忙になるばかり。
2、ご存じの通り、病院の光熱費、人件費、施設維持費、外部業者費用は高騰している。一方で、病院の収入源である診療報酬はここ10年以上むしろ値下げのほうが目立つ(一部値上げもあるが誰も得しないレベルのものばかり)。支出は増え、収入は下がる。小学生が考えても経営が成り立たないのは明らか。
そして病院で働く人以外にも、病院に機器や消耗品、食品、薬などを納品するようなメーカーさんも結局は同じように苦しくなる。影響はかなり大きいと思う。
3、物価、賃金が高騰しているのに、保険診療点はそのまま。先日脳外科を受診した。MRIと血液検査の説明と投薬で約30分近く要した。病院で払ったお金は3割負担で650円。その後薬局で一個の医薬品で650円。5分の待ち時間もなかった。何かおかしくないか。医師の知識技量が計算されていない。今時レストランに入ってもコーヒーが700~1500円はする。医療費が安すぎて、看護師・事務員などを雇用できず倒産の時代が続くだろう。
4、病院の人件費は7割を超えているという。これでは健全な経営は不可能。そもそもの診療報酬が少ない。日本の医療は国の出し渋りにより崩壊寸前。石破政権はそれでも4兆円の医療費削減を掲げている。同じような国民皆保険をしている他の国の中でも日本は国の負担が少なく自己負担が高い。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/d899f47d2a5ecc51caac656c9ed33af51a0671cc,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]