日本政府が防衛装備品の輸出ルールを緩和する方針を示し、自民党の提言骨子案が明らかになりました。この案では、協定を締結した国に対して殺傷能力のある武器を含む完成品の輸出を原則容認する一方、個々の輸出判断は国家安全保障会議(NSC)が審査し、閣議決定を必要としない仕組みを検討します。また、既存の「5類型」に基づいた非戦闘目的の制約も撤廃する方針です。さらに英国とイタリアと共同開発中の次期戦闘機の輸出ルールを緩和し、第三国への輸出において閣議決定を不要とする案も含めています。ただし、現に戦闘が行われている国への輸出は原則不可とし、安全保障上の必要性による例外規定を設ける計画です。本提言は今週中にもまとめられる見込みで、春以降、運用指針の見直しが進むとされています。
今回の提案は日本が平和国家として築き上げてきた基本理念を揺るがすものであり、深い懸念を抱かざるを得ません。まず、現行の「5類型」の撤廃や国家安全保障会議のみに審査を委ねるという変更は、武器輸出の透明性と正当性の観点で重大な問題をはらんでいます。
閣議決定を不要とすることで国民の行き届いた監視が妨げられ、政府や一部関係機関の恣意的判断に依存するリスクが高まるでしょう。
問題の本質として、これらの緩和方針が掲げる「協定国への限定輸出」という基準の曖昧さが挙げられます。協定国が将来的にどのような国と関係を持つかは不確定であり、結果的に日本製武器が紛争を助長する可能性も否定できません。また、「特段の事情」に基づく例外規定も歴史的に運用が拡大されやすく、国際的な信頼低下へつながる危険性があります。
解決策として、1) 独立した第三者機関の検証を輸出判断に導入する、2) 具体的かつ厳格な基準を明文化し拡大解釈を封じる、3) 日米安保の範囲内での役割分担を再検討し、日本としての積極的平和主義を具体的政策に反映することが必要です。
「平和国家」を掲げ続けてきた日本が、自国の理念を軽視するような政策変更を行うことは、国家としての品格を損なうものです。目先の利益や他国に追随する安易な選択が、未来の安全と国民の信頼を失わせる結果となることを忘れてはなりません。
ネットからのコメント
1、自衛隊の小銃の口径は5.56mm、拳銃は9mmでNATO加盟国と共通の弾薬を使っていて、お互いに補完出来るようになっている。更に自衛隊の89式自動小銃のマガジンはアメリカ軍の主力小銃M4カービンと互換性があって弾薬だけでなくマガジンごとお互いに共用可能。因みに中露の弾薬は規格が全く違う。現実問題として、こう言った部分も含めて味方同士での武器の生産、相互補完はコストの問題も考えれば必要だと思う。きれい事はさておき。
2、何でもかんでもオールドメディアの揚げ足取りだと言って論点をずらすのは褒められたものではない。軍事面において日本の立ち位置がかなり特殊なことは事実だし、それゆえに武器の輸出も他国と違って「はいそうですか」で済ませられような問題ではない。些細だと思っていた決定が、伝統的安全保障を取り巻く日本の姿勢を転換してしまうようなことも考えられる。この手の議論は、決定の責任を負えるのかということも念頭に慎重になされるべきだと感じる。
3、記事通りならば、政府はかなり踏み込んだ提言骨子案を出してきたなという印象。
これまでの、例外的に認めるというスタンスから、制度を整えた上で原則容認するなのだから、かなりの大転換だと思った。しかも、殺傷能力のある武器を含む完成品の輸出も可能とするのだから、こんなん認めていいんかなと思った。日本と安全保障関連の協定を締結している国に限定とのことだが、第三国に転売されてもわからない。ここまでしないと、防衛産業は維持できないのだろうか。
4、高市政権はこれまでも政府としての判断と自民党としての主張を使い分けながら政策を進めてきた印象が強い。今回の防衛装備品輸出ルール緩和も、自民党提言を先行させ、政府が後から制度変更に踏み込む流れに見える。殺傷能力のある完成品の輸出容認や、閣議決定を外してNSC判断に集約する方向は、日本の安全保障政策の大きな転換点だ。それだけに、党の議論を既成事実化し、政府決定へと滑り込ませるような進め方には強い違和感がある。安全保障は本来、国会と国民の議論を経て進めるべき重いテーマだ。スピードや政治的都合を優先するのではなく、説明責任と民主的統制を明確に示すべきだと思う。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/d9d1814b8619adc2a1d0b5679e4769756cbed74f,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]