千葉県富津市の国定公園に指定されている観光名所・鋸山で、石切場跡「ラピュタの壁」の夜間ライトアップが開始された。この取り組みは1月18日に富津市観光協会から発表され、日没から午後9時まで実施されている。目的は地域経済の活性化と夜間の観光需要の創出だ。しかし、SNS上では「光害」や「野生動物への影響が懸念される」といった批判が相次ぎ、自然環境や星空への影響が強く問題視されている。同協会は環境省の光害対策ガイドラインを遵守し、影響を抑える努力を行っていると説明しているが、写真の見え方や野生生物への配慮などに関しての議論が収まらず、市は住民意見を踏まえ改善を検討すると表明した。

今回のライトアップ事業は、地域経済の活性化を狙いとした公共政策であるが、誤った方向性で実施された結果、深刻な社会的反発が生じている現状には看過できない問題が含まれている。
幻想的な「ラピュタ感」を演出するサーチライトが自然環境に悪影響を与える懸念は、目先の観光増収を優先し、環境保全や生態系への配慮が十分ではない現代社会の課題を象徴している。なぜ光害への深い理解が観光施策において適切に反映されなかったのか、ここに制度の隙間が見え隠れしている。
解決策は以下の通りだ。第一に、照射技術と光量を再調整し、夜空や生態系への影響を徹底的に抑制した上で計画を練り直すべきだ。第二に、事前段階で地元住民や専門家を交えた広範な協議を行い、地域との合意を取れる仕組みを設ける必要がある。そして第三に、環境保全と観光振興を両立させるため、社会的責任を担う持続可能なモデルを導入し、長期的発展を目指す政策へ転換するべきだ。
経済活性化と環境保護をどちらも疎かにせず実現する方法は存在する。鋸山の豊かな自然環境は経済価値を超えた地域資源であり、十分な配慮なく破壊されることがあれば、それこそが取り返しのつかない損失となる。理念と現実のバランスを真剣に追求することなしに未来はない。賢明な判断が求められる局面だと言えよう。
ネットからのコメント
1、光害に関しての調査や実施結果は事細かにしていますが、一番最初に行う必要のある集客見込みの算出がされていない事は、光害以前の問題です。観光協会は何の為にライトアップをしたのでしょうか。
2、ここが該当するかどうかは分からないが、ライトアップに関しては、昆虫や夜行性の鳥類・哺乳類などへの生態・生殖への影響が危惧されている。単に1日だけというのならともかく、一定の時間以上で、それが一定期間以上続くなら、影響がゼロとは言えない。ただ、この影響を正確に判定するのは、かなり難しいと思う(他の環境要因などもあるので)。だから、何の制限もなし、ではダメだろうと思う。
3、付近にホテルもほぼ無く鉄道も本数少なく駐車場も少ない所。フェリーも本数少ないのに夜間にこんなことして誰が来るのかー?鋸山は昼間の観光地として生き残り出来るのに余計なことはしない方が良いと思う。
4、千葉の大都市、八街市に住むものです。同じ千葉県民としてやっちまったなぁという感じです。鋸山は本来、昼と夜で表情を変える自然そのものが価値であり、人工的な「ラピュタ感」を足す発想が安直に感じました。
観光振興の意図は理解できますが、国定公園という前提を考えると、疑念を招く時点でやり方として失敗です。ガイドライン順守を強調するほど、自然への敬意より理屈が前に出てしまっている印象も否めません。千葉の魅力は派手さではなく、静けさや余白にあるはずです。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/1336d9e96552390898f84ba2592f2df2c8aeea8a,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]