電力会社などの企業が、自社の民事訴訟に際し、無断で裁判のやり取りを録音していた事例が相次ぎました。当事者側は内容を正確に記録する目的だったと述べています。しかし、法廷での録音は民事・刑事訴訟規則で原則禁止されており、これには法廷の秩序維持やプライバシー保護が理由とされています。一方で、訴訟当事者による録音禁止の合理性が議論されています。法廷調書には発言内容が全て記録されるわけではないため、当事者が録音する必要性も指摘されています。ただし、無断録音することで規則違反に対する制裁や刑事罰のリスクが伴います。

今回の事例は、制度や運用の不備を浮き彫りにしています。その一方で、規則違反が積み重なる現状は異常と言わざるを得ません。本来、法廷は公正性と正確性を重んじる場であるはずですが、調書の完全性が欠けているがゆえに、当事者が事実関係の記録を取ることに依存しなければならない状況が生じています。
結果として、正確性や透明性を確保するための行為が規則違反とみなされ、謝罪や制裁を受ける矛盾が生じています。
この問題の根幹は、法廷記録の「欠落した部分」を補完する既存の制度が不十分である点にあると言えます。以下の改善策が考えられます。
訴訟当事者に限定した録音許可の積極的運用を導入する。調書に発言録音を加え、責任を持って公正性を管理する機能の強化。透明性や秩序の維持を両立させるため、技術的な仕組み(録音機能の制限付き提供など)を検討する。法制度は社会の信頼を反映し、尊重されるため自らも進化しなければなりません。「正確でありながら違法」である現実を変える方向性に踏み出さなければ、司法そのものの信頼が揺らぐ可能性を払拭できません。この問題を真摯に捉え、解決への具体策を講じるべき時です。
ネットからのコメント
1、個人で録音するのを禁止にするなら、裁判所の管理で録音して、最低10年間保存する規則にして、原告、被告、原告の弁護士、被告の弁護士、などには、申告すれば録音データを聴くことができる様にするべきだと考えます。
録音データなら保存容量も映像と違って、それ程必要ないし、裁判内容を記録する人の受け取り方で、どちらかに有利な印象を持たせる文書となる。
2、無断録音はルール違反なので許されませんが、同時に「なぜ当事者がそこまで正確な記録を欲しがるのか」は考えるべきだと思います。調書だけでは足りないなら、裁判所の管理で音声を残し、当事者が正式に確認できる仕組みを整える方が健全ではないでしょうか。禁止だけでなく、記録の透明性を上げる議論も必要だと思います。
3、アメリカのやり方が正しいとは言いませんが、アメリカでは(州の裁判所)裁判を公開中継することが認められているようです。騒がずに報道する限り、法廷の秩序を乱したり、裁判の進行を妨害することもないでしょう。そもそも、公開の裁判を受けることは(特に刑事事件の)被告人の権利です。裁判の報道は、裁判が公正に行われていることを傍聴できない国民にも示す機能があります。少なくとも、当事者双方の同意があれば、裁判の報道、録画、録音、写真撮影は、認められてよいのではないかと思います。
4、電力会社などの大企業がリスクを冒してまで無断録音をしてしまう背景には裁判所の調書の限界があると思います。今の調書は発言の要約に過ぎないので決定的な一言や発言のニュアンス、裁判官のちょっとおかしな進め方などが記録に残らないという実務上の困りごとがあるんですよね。もちろんルール違反はダメですが一般の傍聴人ならともかく、裁判の当事者まで一律で録音禁止にするのは今の時代どうなのかなと感じます。ネットに晒すような悪質な行為は厳罰にすべきですが当事者が正しい記録のために録音することはお互いにとって公平な裁判につながるはずです。今、裁判のIT化が進められている真っ最中ですし、そろそろ時代に合わせて法廷の録音ルールも見直す時期に来ているのではないでしょうか。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/c88f0eb13dabd1cc8058cfd32ca14556a14705df,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]