イランの最高指導者ハメネイ師が米国とイスラエルの攻撃により殺害された後、次期指導者として次男モジタバ師が指名されました。モジタバ師は1969年にマシュハドで生まれ、革命防衛隊に所属しイラン・イラク戦争に従軍。神学を学び、宗教的・政治的な人脈を固め、反米強硬派として知られています。2009年の大統領選後の反体制デモでは鎮圧に関わり、2019年には米国による制裁対象に指定されました。公の場では沈黙を貫きつつも体制内で強い影響力を持つ彼が、現在最有力候補とされています。

モジタバ師の指名は、イランの政治体制が抱える深刻な課題を浮き彫りにしています。まず、最高指導者の世襲という構造が、独裁的体質を助長する可能性がある点です。1979年のイスラム革命で王政が否定されたはずが、それを逆行する権力継承が行われようとしている事実は異常であり、中東地域の民主的価値観に対する挑戦とも言えます。
さらに、モジタバ師の反体制派鎮圧や民兵との深い関係は権威主義の象徴であり、国民の政治的自由が著しく侵害される懸念があります。
これらの問題に対処するためには、第一に専門家会議の透明性と独立性を徹底し、権力世襲への疑念を払拭すべきです。第二に、民主化プロセスを強化し、国民の声を緩衝材として反映する仕組みを構築する必要があります。第三に、国際社会はモジタバ師の政権下での人権問題や言論の弾圧に厳しく目を光らせるべきです。権力の集中がもたらす不公正を無視すれば、イランの未来は閉ざされた体制維持の道をたどるだけでしょう。
権力は国民とその未来を守るための手段であるべきで、個人や家系に固執する独裁の正当性はありません。この転換点で、自由と公正を求める動きがより強まることを期待します。
ネットからのコメント
1、反米強硬派の実力者とみられているようでは、アメリカ、イスラエルとの戦争は、どちらかが倒れるまでは終わりそうがないように思える。どちらが正しいのかわからないが、多くの犠牲者を出さず、世界経済に悪影響を拡大させないうちに一日も早い終結を願う。
2、まあ、記事を読むと外交より市民弾圧に執心した人物のよう。市民にとっては憎しみの的にこそなれ尊敬を集める人物でもなさそう。身辺の裏切りを警戒し疑心暗鬼になる恐れもある。和平にはマイナスの人物であることは確かと思う。
3、イランが反米に転じた歴史的な分岐点は、1953年のモサデグ政権転覆事件です。当時、民主的に選出されたモサデグ首相は、イギリス資本が不当に搾取していた石油資源の国有化を断行しました。これに反発したイギリスと、共産化を恐れたアメリカのCIAが暗躍し、軍事クーデターを仕組んで政権を崩壊させました。クーデター後、アメリカはパフラヴィー2世の独裁体制を構築し、広範な支援を行いました。同時にサヴァクと呼ばれる秘密警察の設立や運営にCIAが深く関与し、これによって反対派や言論への徹底的な弾圧が行われました。「白色革命」と呼ばれる近代化政策によって、恩恵を受ける一部の富裕層と、土地を失った農民や伝統的な商工業者との格差は拡大し、抑圧的な統治と相まって人々の不満は限界に達しました。こうした親米の独裁体制に対する国民の不満は蓄積し、1979年のイラン革命へと繋がりました。
4、イラン指導部はモジタバ氏を選出することでハメネイ政権が継続していることを示し、アメリカとイスラエルとの戦争に徹底的に抗うことを決断したのだと思います。 現在のイランは世襲制だったパーレビ王政を否定し打倒することで成立しましたが、ハメイネイ師の息子が政権を継ぐことを良く思わない勢力もあるはずです。モジタバ師は指導者としての経験も不足しているため、イラン国内の統合という視点では多少リスクがありそうです。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/1e264ffe471296cb8a05e6cc1cd81d7040851172,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]