国立博物館や美術館に対する文化庁の新方針が注目を集めています。この方針は、各館に収入目標を設定し、それが達成できない場合には再編対象となる可能性を含むものです。文部科学省が発表した資料では、自己収入率を展示費用の65%以上に引き上げ、交付金への依存を解消することを目標としています。現在、自己収入で賄われている割合は約50%であり、入館料やグッズ販売を収入源とする館にとって、この変更は大きな負担と見られています。もし基準に達しなければ、閉館の可能性が示唆されています。文化庁の方針には批判の声が広がっており、SNSを中心に抗議活動が活発化しています。

公共の文化施設に収益目標を課すという政策には、深刻な問題が隠れています。第一に、博物館や美術館は単なるビジネス施設ではなく公共の文化財を保護・展示する使命を負っています。
「自己収入率の達成=文化的価値の評価」とする方針には誤解があり、それが無理に高い収益性を追求する結果として、貴重な文化資産の喪失につながる懸念があります。第二に、長引く物価高と展示コストの増加を考慮すると、現場での創意工夫だけでは限界があるでしょう。これら施設の持つ公共性を無視して財政論理に偏重すれば、観光客に頼る運営にシフトする危険もあります。
根本的な解決策として取り入れるべきいくつかの提案があります。①国が文化財保護のための特別交付金を維持し、適切に分配する制度を整備すること。②博物館や美術館の社会価値を広く認識させるキャンペーンを展開し、支援者を増やす方針を具体化すること。③国際的な協力や補助金制度を活用し、展示の質を維持しつつ収益を向上させることです。そして、公共文化施設の存続に対して単なる収益基準を課する現方針がいかに狭視的であるかを認識する必要があります。収益では測れない「文化の価値」を最大限尊重し、未来の社会に伝える使命を今一度再確認すべきです。この方針の影響で失われる文化財がどれほど取り返しのつかない損失であるかを直視するべきでしょう。
ネットからのコメント
1、博物館や美術館の事業は国や自治体からの助成があって成り立つものという前提に立たないと、文化遺産の保護もできなくなるでしょう。博物館や美術館は単に展示するだけでなく、収集、修繕、保管にも多額の費用を必要です。そして、建物の修繕にも費用を要します。それを入館料やグッズの収益だけでまかなうのと無理で、文化遺産の保護のためにも助成は当然のものでしょう。商業ベースでは考えられないということです。
2、海外支援するお金を日本国内で使える道筋を探したらどうでしょう海外投資で増えた海外用の積立外貨資金は海外でしか使えないという日米同盟があるらしいですが投資して増やしても日本国民のために使えないならあまり意味がない気がする原資は税金ではないのかな日本国内の老朽化した公共物や文化を守るためにインバウンド対策としても外貨を使えるように何か対策を考えて欲しいな
3、こういうことをやると、例えば美術館が瞬間的に人気が出たアニメなどの企画展などを企画して金をかけずに大きな集客を得ようと言うのばかりが流行するような気がする。
自分もアニメは好きだしそういうのが悪いわけではないがそればかりで例えば日本ではあまり知られていないが実力がある作家にフォーカスした企画展などは開かれなくなり、文化の継続的な発展や、多文化に触れ合う目標を放棄することになる。
4、経済情勢が悪化するとこういう施設はとかく❝不要不急❞として批判されやすい.自力で収入目標を達成できなければ再編,要するに閉館,統廃合と受け取られるのは当然.博物館自体の特色と魅力を打ち出すべきと言っても大衆迎合,特に子どもや若い世代向けのウケ狙いばかりに傾斜するのも如何かとは思う.世界的にも貴重な文化遺産の保全が博物館や美術館の重要な目的と役割ではないかと思うのだが,それらに対する国民の関心の薄さもこういう問題の根源にあると感じる.
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/265c4d7c82e2bd762a7c8f251d41a6c042c9c3a5,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]