金融庁が銀行の投融資規制を緩和する方針を検討している。現行ルールでは、銀行グループの投資子会社が非上場ベンチャー企業や事業再生への出資に限定されていたが、上場企業への投資を認める方向に方針を転換。これにより、巨額の買収資金を要する場合には融資の上限規制を超えることも容認される。また、「AI・半導体」「造船」「航空・宇宙」など戦略分野に資金供給を促進する狙いがあり、敵対的買収防止や大型M&A支援を目指す。この規制の改正は1998年に定められた内閣府令を改正する形で行われ、政府の「骨太の方針」に盛り込まれる予定だ。

金融庁の投融資規制緩和案には期待と懸念が交錯します。規制緩和は、大型M&Aや成長産業支援の資金供給を容易にし、日本企業の競争力強化に寄与する可能性があります。しかし、制度の欠陥や監視の不足は、不健全な投資行動や不透明な資金運用のリスクを高める懸念を生む。
1998年に規制が導入された背景には金融危機があり、その教訓を軽視すれば、新たな不安定要因に繋がりかねません。
問題の本質は制度設計の透明性とリスク管理体制の不備です。第一に、緩和後も銀行の健全性を維持する強固な規制監視を求めます。第二に、投融資対象の適切性を監査する第三者機関の設置が望ましい。第三に、緩和条件を明確化し、利益追求に偏らない資金運用を確信させる仕組み構築が必要です。
規制緩和による成長推進は理想ですが、同時にその弊害を無視してはなりません。ルールの甘さは一部の利益を肥大化させる一方で、公共全体の利益を失う結果を招く恐れがあります。今こそ、経済活性化と制度健全性を両立させる深慮ある施策が求められています。
ネットからのコメント
1、成長分野と言われる投資事業組合に出資するケースもたびたび見受けられたが、出資時には華やかなイメージ作りで銀行経営者も鼻が高くできる話題として利用するものの、実際に投資先として上手くいくケースは少ない。銀行経営者は単なる自慢話として活用するのではなく、国の将来を見据えて投資して欲しい。
また規制が緩和されたとたん銀行より詐取を狙う投資犯罪が増加するのが予想される。そのような犯罪集団対策をどうするのか、騙される銀行をどのように選別するのか、今後の動きに注目したい。
2、今まで自己資本規制ど政策保有株式を減らせと言ったり、独占禁止法の関係から株式保有割合に規制をかけている。融資ならともかく、投資はどうかと思う。今まで散々、株式保有は減らすようにと指導してきたのにね。
3、融資上限の緩和や投資拡大は、一見すると産業活性化に見えますが、一歩間違えれば銀行の健全性を損なう諸刃の剣です。かつて銀行が企業の株式を持ち合い、ガバナンスが不透明になった反省から今の規制があることを忘れてはいけません。特に『融資上限の例外』を認めるなら、もし投資先が破綻した際に預金者や金融システムに影響が出ないよう、金融庁にはこれまで以上に厳しい監視が求められます。単なる『官製相場』の支えに使われるのではなく、あくまで民間の判断で成長分野を見極められるかが鍵になるでしょう。
4、以前銀行に勤めていましたが、銀行はあくまで金貸しであって、事業そのものを生み出しているわけではない。
申込内容や財務情報をもとに融資可否を判断する立場であり、その評価で「経済を分かっているつもり」になりがち。今回の規制緩和で資金供給の幅が広がるのは一見プラスだが、本質はそこではない。重要なのは、銀行が本当に事業の中身を見てリスクを取るのか、それとも形式的な審査で「やっているふり」にとどまるのか。この違いは、今後かなりはっきり分かれてくるはず。単なる担保・格付け頼みの融資から脱却できる銀行と、従来通りの延長にとどまる銀行。今回の緩和は、その“地力”が試される局面だと思う。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/8d50e69d5ebf7750c7f8300911926f51987cc890,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]