事件概要:厚生労働省は、昨年9月から今年2月まで、全国10か所のハローワークでAIを活用した職業紹介の実証実験を行った。このAIは過去3年分の求職・求人データを基に、求職者の希望や特性から適性の度合いが高い求人情報を提案する仕組み。しかし、実験に参加した職員の約70%が、AIの提案内容を「妥当ではない」と評価。求職者の希望条件と提案内容に食い違いが多数発生し、精度不足が問題視された。厚労省は今年度中にデータ内容を見直し、再実験を予定している。

コメント:ハローワークにおけるAIの導入は、効率化と個別化を両立させる理想を掲げていますが、今回の実験結果はその理想から程遠い実態を浮き彫りにしました。職員の7割が「妥当ではない」と評価したという事実は看過できません。これは単なる技術的な問題ではなく、導入前のデータ収集・学習方法への慎重さや現場の実状を十分に反映する努力が欠けていたことを示しています。
問題の根本は基礎となるデータの質、及び求職者の多様な条件への対応力の欠如にあります。まず、地域や年齢、職種の偏りを取り除いた均質で幅広いデータ収集が必要です。また、AIの提案内容を現場の職員がフィードバックし、より精密なアルゴリズムに改良するプロセスを設けるべきです。さらに、求職者本人の細かな希望条件をインターフェースで直接入力できる機能を拡充すれば、精度向上に寄与するでしょう。
現状を鑑みると、技術の進歩だけでなく、政府の取り組み全体への監視と改善が不可欠です。AIへの過度な期待より、実際の運用に即した現実的な改革を行うべきです。人材紹介という本質に立ち返る姿勢が求められています。
ネットからのコメント
1、AIにいくら推薦されたところで、そもそもの労働条件が求職者とミスマッチしていたら意味ないんですよね。自分もハロワの求人は何度か目を通しましたが、とてもじゃないけどこれは厳しいな…というのが何件もありました。大切なのは求人票通りの労働条件を整備することでしょう。求職者が安心して応募できる職場環境を形成することの方が何倍も大事だと思います。
むしろそちらにAIを活用してもらいたいですね。
2、若者はハローワークなど使わなくても良い就職先を見付けるのは容易ですからハローワークを使うのは中高齢者が必然的に多くなる訳ですが身体が弱ってきた方も少なくない中高齢者は、事務職等か、あるいはそれが望めないにしても、せめて自分の身体で耐えられる、そしてせめて新卒並でもいいので賞与もあるような正社員でまともな待遇の仕事を望む事になりますが、その望む方に対し、全然良い仕事が足りないのが現状です。いかにAIを駆使しようと、足りない仕事をあてがえる筈がありません。もっと官民一体となり、中高齢者でも無理なく務まる仕事を増やすか、もしくは普通の中高齢者で耐えられない仕事の難易度を下げる努力をする必要性があるでしょう。足りないのは人手ではありません。きつい仕事を低賃金でやらせたい(外国人を入れてまで)という企業のわがままを通し、それを外国人を入れて是正する気もない国の努力が足りないのです。
3、色々と市販でもAIを使ってみていますが、学習データが悪いのではなく、使っている人の『問いの立て方』が悪いのではないかなと感じます。
求職者の人の個人の経験や環境、希望などをしっかり伝えられないと、しっかりして答えは返ってこないだろうなと。なんなら求職者の人に、自分のこれまでの仕事や人柄などを好きなだけ個室でしゃべってもらって、その要約をAIにさせた上でどういう職があるのか、課題は何があるのか、みたいな形で活用すればいいのではないかと。それはつまりハローワークの職員さんたちが、求職者側に回ることを意味すると思いますが。
4、職業紹介においては、求人や求職に関し提出された表向きの条件から、書かれていない本心を推理するような作業が必要なのではないだろうか。特に求人条件に付いては、求人の行われた時期・様態、現場の特定の職員だけが経験的に持っているような情報による判断が大きな意味を持つとともに、求人条件から装飾、誇大・過少と思われる内容を削除・補正し、条件全体を再構成するような作業が必要な場合が有ると思う。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/cabfcddd831d8964d1f4633e22edfb3d17691360,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]