2021年、タイでの日立造船(現カナデビア)海外派遣中、27歳の社員が過労の末に自死した事件が発生。専門外の業務を押し付けられ、時間外労働が1か月で最大149時間を超えるなど、過酷な労働環境に追い込まれていた。遺族の上田直美さんは、会社側から「転落事故」として処理するよう提案されたが拒否。労基署に訴え、精神障害による労災認定を2024年に勝ち取った。その後、遺族は企業とともに労働環境改善のため「海外派遣者健康管理マニュアル」を共同作成し、再発防止への取り組みを進めた。

日本社会がこれまで放置してきた労働環境の構造的な欠陥が、またも尊い命を奪いました。この事件は、企業が派遣業務の現場における徹底的な無責任体制を晒す一方で、個人の努力と信念が腐敗した仕組みに風穴を開けた鮮烈な一例でもあります。
問題の本質は、海外労働者を現地任せにし、日本国内の労働基準を無視した放任主義が許されてきたという点にあります。さらに「転落事故」として黙殺しようとした会社の姿勢は、倫理感の欠如と責任逃れを象徴しています。企業による再発防止への取り組みはもちろんですが、これは一企業の問題ではなく、日本全体の労働環境の問題です。
解決策としては以下を促進すべきです:
海外派遣者への国内労働法適用:労働基準法の適用範囲を明確化・拡大し、海外でも国内基準を強制。派遣前のリスク管理の透明性確保:業務範囲、健康管理体制、労働時間の事前明示を義務化。独立監視機関の設置:海外派遣者の健康管理状況を監視する第三者機関を創設し透明性を担保。人命を犠牲にして生じた教訓が、このたびのマニュアル発表で実を結びましたが、これを「痛み」ではなく「未来」に生かせるか否かは、企業と社会全体の覚悟次第です。一つの命さえ軽視しない社会を創る責任は、今を生きるすべての私たちにあるのです。
ネットからのコメント
1、働いていると、いつの間にか「この仕事を終わらせなきゃ」「迷惑をかけちゃいけない」と、自分を後回しにしてしまうことがあります。
会社に振り回される毎日を送っていると、疲れていることにも気づけなくなるんですよね。でも、本当に忘れてはいけないのは、命より大事な仕事なんてないということです。どんなに責任のある仕事でも、どんなに期待されていても、あなたの代わりはいても、あなたの命の代わりはいません。無理を重ねて心や体を壊してしまったら、そこで人生そのものが苦しくなってしまいます。「もう少し頑張れば」「今だけだから」と耐え続ける前に、休んでいいし、逃げてもいいんです。周りに頼ることは弱さではありません。あなたを大切に思っている家族や友人は、仕事で壊れていく姿なんて望んでいません。仕事は人生の一部です。でも、人生そのものではありません。どうか、自分の命と心を、何よりも大切にしてください。
2、かつてブラックと言われる企業に勤めていました。今のように「声を上げる」という感覚がなく、「労基なんかあてにならない」「動くだけ無駄」という意識もあって「半年無休」「夜中の3時に呼び出される」みたいなわけのわからない状況が続き、「このままでは無理だ」と思い至るのにすら時間がかかりました。
とりあえず企業は働かせた分の見返りだけは保証してほしいです。
3、再来月から、日系のタイの現地法人に出向することなりました。この記事を読んで、「自分の身に起こってもおかしくないな」と感じました。逃げてもいいっていうけれど、海外出向は日本人も少ないし、そもそも相談できる人がいないから、単純に労働時間だけの問題ではないような気がしました。労働時間長くても、人間関係がいいと辛い仕事でも頑張れるという側面もあるかなと。人それぞれキャパがあるので、ガイドラインがあっても必ずしも正解とはならないと思いますが、少しでも自ら命を断つ人が減るといいなと切に思います。
4、本来は、労災を起こした企業が、謝罪会見などの時点で、再発対策を完成させ、発表する。そのぐらいの意識を持っていなければならないテーマだと思います。ご遺族にやらせている場合ではない。おつらいなか、憎しみをこらえ、企業側と心を合わせ、対策マニュアルをともに完成させるまで頑張られたこのお母さまを心から尊敬いたします。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/e79e7767b2bf09bc546b186f266ac4f3fca0e7f2,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]