2023年2月、日本最東端の孤島・南鳥島周辺の水深5700メートルの海底で「レアアース泥」の試掘が成功したと報じられた。試掘成功は日本の資源自立性を高める可能性が期待されるが、多くの課題が残る。南鳥島海域には約165兆円相当の資源価値があると見積もられるが、採掘コストや環境的な規制のハードルが高い。一方、中国による日本向けレアアース輸出規制が続く中で、経済安全保障の観点で国際的な共同運営や外交的知恵が必要とされている。

困難を乗り越えた今回の試掘成功は喜ばしい一方、現実的な課題が山積している。「資源大国」説には慎重な見方が強いが、国際的枠組みを活用した資源管理が未来への鍵とされる。
レアアース問題は、日本が直面する資源独立と経済安全保障の課題を象徴している。
しかし、南鳥島の試掘成功を手放しで喜ぶのは、あまりに楽観的だ。現実には採掘コスト、環境規制、技術的困難など多くの壁がある。特に、6000メートルの水圧に耐える設備や規制に対応した製錬技術なしでは、中国との価格競争に勝てる見込みは乏しい。加えて、放射線廃棄物の処理リスクが高く、過去には日本企業がマレーシアで健康被害訴訟に直面した前例もある。

その本質は、日本の長年続く「外部依存構造」と「技術輸出」にある。日本自身が中国に環境コストの伴う製錬技術を提供し、市場支配を手助けした点は、自ら対抗手段を狭めた失策と言えなくもない。この背景では、レアアースをめぐる外交戦略が重要だ。南鳥島を日米共同運営の場とすることで、中国の強引な進出を牽制し、国際的な経済安全保障枠組みを強化する機会につなげるべきだ。

提案する解決策は次の3点だ。①南鳥島の採掘技術や精錬技術への継続投資、②日米連携による安定的サプライチェーンの構築、③中国に余剰シェアを与えないための多国間協力体制の構築である。資源の自給率を高める努力と、大国間競争を制する柔軟な外交が、日本の持続可能な未来を切り開くだろう。南鳥島の試掘成功は重要な一歩に過ぎず、未来を切り開く準備は今始めるべきである。






ネットからのコメント
1、試掘成功は快挙ですが「100年経っても無理」と言われた過酷な環境と、精錬に伴う環境負荷の壁は依然として高い。かつて日本が善意で中国に技術を教えた結果、それが今や外交の武器として利用されている歴史の皮肉を忘れてはなりません。単に「掘れれば解決」と浮かれるのではなく、日米連携による経済安保の枠組み構築や、供給網を多角化する狡猾な交渉力こそが不可欠です。資源大国の夢を追うと同時に、二度と「土下座外交」を繰り返さないための戦略的な知恵を政府には期待したいところです。
2、日本にはリサイクルとレアメタルの代替え金属によるモーター製造技術は世界一。
原料不足にどう対応するかがカギ。海底資源採掘と中国以外の国からの輸入を国益として国が参入しないと。大学時代に夢の人工光合成の研究をしている研究室に入りましたがそれこそ夢のまた夢でも試行錯誤を皆がしていました。今ではコストダウンに焦点が行くまでになりました。あれから40年。不可能を可能にする技術を日本は諦めずに取り組んでいます。
3、試掘の段階で「中国の〇倍もコストがかかるから無理だ」みたいなコメントが散見されますが、人によって5倍だったり10倍だったり20倍だったりと全然違うことを言っている。試掘というのはその『〇倍』を正確に出すためにやるのだから、たとえ結果が100倍のコストになろうがやる価値はあるのです。そこから得られたデータから、どの工程で特にお金がかかるのか、それは技術の進歩で削れるのか、中国のレアアースと比べて優れている点は何か、劣っている点は何か、国内でレアアースをリサイクルするなど他の入手方法を探った方がいいのではないか、など色々と検討することが可能となるのです。試掘の結果の良し悪しは問題ではない。
試掘を行ったこと自体が大きな成果なのです。
4、コスト、コストと言うが実際石油だって採掘技術が進んだ結果20世紀には掘り尽くすと言われた石油は今もジャンジャン採掘されています技術革新は日進月歩、何もやらないよりも追求し続けるべきですその技術が何に役立つか 今は未知でもやる価値はあると思います
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/2208be30f5e99a1b709feeba763e716fa5b592f4,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]