2026年3月10日、トランプ大統領がイランとの対話の可能性に言及するも、イランのアラグチ外相がこれを拒否した。背景には二つの要因がある。一つ目は過去の核協議破棄と米国からの攻撃を受けた苦い経験を踏まえ、同様の事態が繰り返される可能性をイランが懸念したこと。二つ目は長期戦ではイランが有利だという判断だ。イランは「モザイク防衛」という分権化した軍事戦略で耐久戦を押し進めており、短期間での敵の打倒ではなく持久戦での勝利を狙っている。一方で、米国は国内政治の不安定さから長期化が苦境になる可能性が指摘される。この戦力差を背景に、両国の緊張が高まる局面を迎えている。
米国とイランの対話が不可能な現状は、どちらか一方だけの問題ではありません。しかし、この状況を生んだ核心は米国の一方的な外交と力の行使です。過去の核協議破棄と軍事行動により、イランが「信頼」ではなく「持久戦」を選んだのはある意味で当然の帰結です。このような無条件の制裁や攻撃がもたらすものは、協調ではなくさらなる不信です。
問題の本質は、米国が体系的に軍事力だけに頼り、相手国の主権や安全保障を軽視してきた点にあります。イラク戦争でも明らかなように、短期的な勝利はもたらし得ても、中長期的な安定に結びつかない米国の外交姿勢が、この局面を招いた根本の原因です。そして、イランが分権化・重層化した「モザイク防衛」を採用したことは、そうした米国の戦略に明確に対抗する意図の表れです。
解決するためには、まず過去の外交的失敗を分析し、全面的な戦略見直しを行うことが不可欠です。1つ目には経済制裁や攻撃の前提として国際的同意を得るべきです。2つ目には、イランが受けうる合理的な安全保障案を提示すること。3つ目には、国際社会が仲介する形で信頼回復のプロセスを設けることです。このまま軍事的圧力のみを続けるならば、さらなる対立と不安定化を招くだけでしょう。
一国が強者の論理で動けば、結局相手もその論理を学び、異なる形で力を行使します。現在の米国外交は短期的な利益のために正義と協調という本質的な価値観を犠牲にしており、最終的には自らの政治的道徳が問われることになるのです。
ネットからのコメント
1、米陣営側から見ても、対話を閉ざしたのは、イスラエルと米側だと評価できる。今回のイラン首脳陣の殺害方法は常軌を逸してる。なぜなら、対話という方法を提示している中で、集まってるところをまとめて罠にはめるように殺害しました。平和的な対話という最重要な方法を否定したのは、米やイスラエル側だと見えてしまうよね。
2、アメリカとイスラエルの戦いに他の国を巻き込まないで欲しい。イランには、日本企業も進出している。安全を担保して欲しい。ベトナムはすでにガソリン在庫なし、フィリピンなども勤務制限など、東南アジア諸国は、インドなど厳しくなっている。日本もいずれ値上げではなく、確保できる絶対量が減ってしまう。
3、対話を持ちかけてイランがそれに応じ、対話中にもかかわらずいきなりイランを攻め込んだのは、いつもイスラエル側。昨年6月と今年2月の2回も、イランが協議に応じているにもかかわらず、しかも協議の最中に、イスラエルが奇襲攻撃。しかも今回は、協議中の奇襲攻撃で最高指導者ハメネイ氏を殺害している。
イランは2度も誠実に協議に応じてきた。毎回それを裏切ってきたのはイスラエル。2度も裏切るような信頼できない相手に、3度目の対話など応じるわけがない。
4、イランのモザイク防衛。要するに国の最高トップも含めて事前に代わりを決めておき、下部の組織中央と連絡が途絶えても、独自に動くことを想定してるってことでしょ。しかも、それが実際機能してると。となると、単純な個人独裁国家とは言えないね。確かに宗教イデオロギーの少数による権威主義国家なのかも知れないが、特定の権力者を排除しても存続するんじゃ既に個人独裁政権とは言えない。一定層の国民に支持されてないとできないシステムだ。まあ、それが少数の官僚主義だとしても。となると記事にあったイラクやリビアや最近だとシリアや、我が国の近くにある北朝鮮とかの個人独裁と違うと言うことだ。斬首作戦は効果薄い。交渉無視して本気で体制転換させるなら陸上侵攻するしかないだろう。泥沼になるだろうけど。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/5efffc27a9ad677762e284e151e1e592bb5f9c29,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]