旭化成によるポリエチレン生産終了の発表は、国内化学産業における一大転機となります。2030年度を目処に、国内需要の低迷や中国の生産増強に伴う価格競争の激化が背景にあるとされ、岡山県倉敷市の水島製造所で行われている生産が終了します。加えて、家電部品に用いられるスチレンモノマー生産も同時に終了するとのことです。この動きは、現場で働く250人の従業員への影響も大きく、社内再配置が予定されていますが、彼らの雇用安定や地域経済への影響が懸念されます。

この決定には多くの疑問が残ります。国内需要が低迷する一方で、環境保護やリサイクル資材需要の高まりに応じた技術転換の努力は十分だったのでしょうか? 現に、他の国では再生プラスチック産業が成長を遂げており、日本でもポリエチレンでのリサイクル技術の革新が期待されていました。しかし、その方向性を完全に放棄し、日本市場から撤退することは、企業の技術力や経済的ポテンシャルを自ら狭める選択ともいえます。
今後、日本の産業が国際競争力を維持・向上させるためには、第一に、環境対応型製品開発への投資を強化すること。第二に、労働者のスキルアップや異業種への移行支援を徹底すること。第三に、国内需要活性化のための政策的連携を進めることが必要です。短期的な市況だけを見据えた産業縮小は、長期的に日本の競争力を損ないかねません。環境課題に応える姿勢そのものを、今後の事業戦略の柱に据えるべきです。考えるべきは、目先の利益ではなく、より持続可能な成長モデルであるべきでしょう。
ネットからのコメント
1、ホルムズ海峡問題以前に国産のポリエチレンメーカーはどこもすでに事業計画から外す方向だったのです。 なぜかというと昔はトータルで考えられたのが、物言う株主の台頭で企業は不採算部門を抱えられなくなってしまった。コンビナートという形態でトータルコストで考えられてきた。↓コンビナート形態の不採算部門の切り離し↓不採算部門の競合他社との合弁会社設立で分離↓トータルコストでやってる中国・東南アジア・中東勢にコストで勝てない↓生産設備投資する原資がない↓設備老朽化→生産コスト・品質で勝負できない↓廃業検討国内メーカーは末期ですねそこにこの供給不足でクローズUPされている現状
2、ポリエチレンは想定内でもスチレンモノマーも止める事に驚いた。確か2位くらいだよね。もう今や投資家は企業に対して「社会貢献」を求めない。ただひたすら「利益」のみの追求。採算の合わないものはどんどん切り捨てていく。利益のために国民を省みず、手を変え品を変え値上げを断行させる。生産・労働力が下がり、円が弱くなり、原材料の大半を海外に頼るこの国に一体どんな産業が残るのだろうか。
3、中東情勢のせいではなく国内需要の低迷と中国の増産が理由というのが、今の日本の素材産業が置かれた厳しい現実を物語っていますね。商売として儲からない汎用品を切り捨てて、付加価値の高い分野へシフトするのは経営判断として正しいんでしょうけど、気になるのは今後の物価と安定供給です。これから包装資材や樹脂原料を海外、特に中国に依存することになれば、地政学リスクや円安の影響を今以上にダイレクトに受けることになります。何かあった時に金は出してもモノが入ってこないという状況にならないか心配です。また水島の従業員250人は再配置とのことですが、関連会社や現場を支えてきた地元企業への影響も小さくないはず。
日本のものづくりがどんどん設計や特殊品だけになって、基礎となる素材を海外に明け渡していく流れに、合理性への理解と一抹の寂しさを感じます。
4、スチレンは時代の流れかと思うけど、ポリエチレンは基本でしょ。食品衛生に不可欠。輸入に頼ってはいけない。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/658df1ac418b336fbfb41238fe64cafa3ecbb0e2,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]