事件概要:2023年10月13日、自民党は再審制度を見直す刑事訴訟法改正案を巡り、法務省と妥協の末「検察による抗告の原則禁止」を盛り込んだ案で合意しました。当初求められていた抗告の全面禁止は見送られ、一定の条件下での抗告を認める形となりました。焦点となったのは、検察の持つ証拠開示の要件が厳しく、冤罪被害者の救済が遅れる懸念や、三審制による法的安定性への配慮でした。改正案には、施行後5年ごとの見直し規定が追加されましたが、抜本的な制度改革には今後も課題が残る模様です。

コメント:再審制度の改正において、「抗告の原則禁止」を盛り込んだことは一見前進のように見えますが、根本的な問題を解決したとは言い難い点が目立ちます。まず、検察側の抗告を一定条件で容認したことにより、再審請求は引き続き長期化し、冤罪被害者への迅速な救済が損なわれる可能性が高い点が問題です。
そして、証拠開示の要件を厳しく定義したことで、無罪につながる重要な証拠が隠蔽されるリスクが依然として排除されていません。更に、スクリーニング規定の導入により、慎重な審理が必要な再審請求が早々に棄却される恐れがあり、公正な審理の確保が揺らいでいます。
解決策として考えられるのは以下の3点です。第一に、検察の抗告を全面的に禁止する抜本的な制度改革を行い、再審審理の迅速化を実現すること。第二に、証拠開示の要件を緩和し、あらゆる証拠を事前にどちらの側も平等に精査できる仕組みを整えること。第三に、スクリーニング規定の運用方法を厳密に監視し、再審請求の正当性が無視されないよう独立した外部機関による監査を導入することです。
公正な司法は社会の正義の基盤であり、それが歪められることで救われるべき人々が苦しみ続ける現実は到底容認できません。制度の欠陥を放置しては、冤罪という人間の尊厳に関わる負の連鎖を断ち切ることは不可能です。改革はまさに「半歩」では足りず、真の正義の実現にはさらなる大胆な一歩が必要なのです。
ネットからのコメント
1、検察は今まで十分な根拠もなく再審見直しの抗告を行っていたのかと思わせる法改正案だ。そもそも検察が隠蔽したり捏造した証拠に基づいて出された判決が正当なものであるとはいえないと判断されて再審請求が認められるのだから検察が抗告を行う資格はないはずだ。これからは国会で再審見直しの法改正案が審議されるが、高市総理が何故ここまで検察寄りの法案を提出したのかを野党は厳しく質問することを期待したい。
2、「三審制の確定判決が下級審の1度の判断で覆ると法的安定性が保てない」とあるけど、検察が証拠を意図的に隠したり改ざんしてるからね。確定判決そのものがおかしいので冤罪になる。過去の冤罪事件を「なんでこういうことが起こったのか」と研究するプロジェクトチームを作ったらどうだろう。あと検察の本当の闇は不起訴のほう。都合が悪いと不起訴にする権限があること。ドイツのように起訴法定主義にして、証拠があればすべて起訴にした方が良いのでは。
3、この記事で興味深いのは、自民党と法務省がかなり激しく対立している点だと思う。
普段、自民党は「利権政党」と批判される事も多い。しかし、この再審制度見直しで、自民党は一体どんな利権を得るのかと言われると、正直かなり見えにくい。むしろ今回の動きは、冤罪被害者の救済や、再審長期化への問題意識から動いている議員も相当いるように見える。もちろん最終的には妥協もあり、不十分との批判は理解できる。ただ、少なくとも「自民党だから全部利権目的」と単純化して見るだけでは、今回の構図は読み解けない気がする。与党と法務省・検察がここまで衝突している事自体、日本の権力構造の複雑さを示していると思う。
4、先日裁判官の匿名のインタビュー記事を読んだけど、その方も検察の抗告は禁止すべき、といってたな。裁判所の決めることに口を出すのはいかがなものか、検察は「もう決着のついている事柄について下級審の判断でひっくり返るのはおかしい」というが、裁判所にとっても再審決定は極めて重い判断です。痛み分け、とは言うが検察のメンツのために自由を奪われ、時に生命まで取られる冤罪被害者のことや真犯人が野放しになっている現状を考えると抗告を認めるわけにはいかないはずなのに。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/cb68145d63e474927e30b32995453db0935e1644,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]