30日、東京・代々木公園で開催された「メーデー中央大会」にて、連合の芳野友子会長が裁量労働制の拡充に強い異議を唱えた。芳野会長は、裁量労働制の拡充について「生産性向上の明確な裏付けがなく、むしろ長時間労働を助長する結果になる」と具体的データを基に政府案を批判。さらに歴史的な背景に触れ、「メーデーが140年前、長時間労働や低賃金の改善を目的に始まったことを思い出してほしい」と述べた。現状、労働価値を軽視する風潮が問題であるとし、働きに見合った報酬とその実現を政府や経済界に求めた。この大会には高市総理や複数の野党幹部も出席し、政策への意見が交わされた。

芳野会長が指摘している問題は、日本社会の根深い労働環境の課題そのものだ。裁量労働制は一見柔軟性を謳いつつ、実態として時間外労働の合法化を含み、生産性向上の根拠も不透明だ。
特に、企業側が「裁量」に名を借りて過剰な労働を要求する構造は、人々の健康や生活を犠牲にしており、これは紛れもない制度設計の欠陥だ。
具体策として、まず裁量労働制導入企業への厳格な監査を定期的に実施すべきであり、違反時には厳重な罰則を課す仕組みを整えることが必要だ。また労働時間の確実な削減を強制するため、国際的に比較しても効力の強い規制を導入するべきだ。そして労働環境データの透明性を高め、裁量制の正と負の影響を広範かつ客観的に公開し、国民全体が議論に参加できる機会を設けるべきだ。
メーデーが象徴する「働く者の権利」を再び大切にする社会を取り戻さなければ、労働者の健全な未来は奪われたままだ。この場で提案された改革案が具体的行動につながらなければ、政府が掲げる「成長と分配の好循環」は空言に終わるだろう。取り戻すべきは経済成長だけでなく、働き手の尊厳そのものだ。
ネットからのコメント
1、裁量労働制と言いながら、実際は裁量など認められずに一般社員と同じく出勤時間は定時で残業代は定額で、明らかに見込み残業代では足りないほど働かされます。
特に能力が高い人や責任感が強い人にとっては、定額働かせ放題です。逆に責任感が無く残業せずに、決まったことだけをこなして帰るような人には、見込み残業代があるので実際より高額な給与がもらえます。正しく運用できてる会社がどれくらいあるのでしょうか。優秀でやる気のある人ほど報われない制度なので、拡充どころか廃止しなければならないはずです。
2、裁量労働制は正しく運用されれば良い制度だが、一般的には悪用されるケースが多い。今でも、サービス残業を行っている(やらされている)企業は多い。特に、官公庁やコンサル業界などでは日常茶飯事。正直に勤務時間を申請すると上司から怒られると、一緒に仕事をしたコンサル業界の人が当たり前のように話をしている。
3、「裁量労働制」というと聞こえがいいけれど、別名で「定額働かせ放題」とか言われてるよね。「定額働かせ放題」で思い出されるのは、公立学校教員だ。いろいろ問題があり、訴訟にもなっている。また、これによるブラック化により、教員不足の一因にもなっている。運用次第な面もあるのだろうけど、経営者側が都合よく使うようなことになるとよくない方法だよね。
4、今回の裁量労働制の拡充については、以前行った残業時間やみなし労働への規制をあまりにもやり過ぎてしまい、労働者不足の中で専門的な職場が回らない、労働力不足で会社を閉める人が増えたことがあると思います。人が有り余っていた時代の制度にあっては、ブラック企業が多く生み出してしまった経緯がありますが、その人が不足してきている環境の変化について着目すべきだと思います。芳野会長は政治的な発言をすることで、自身の地位を維持する保身が目的な人に見えるので、素直にその主張を受け取ることはできない。労働者と企業は対等な立場で話し合うべきだと思いますが、一方が立ち行かなくなったら他方も倒れると言う関係なのですから、まずは労使で話し合って、その上で連合の答えを出すのがスジだと思いますね。頭ごなしに拒否反応を示すのは労組の代表としては稚拙だと思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/9bb08583d93a5422195fbd7536c21b7c9d355625,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]