発達障害に対する診断を受ける人が増えている背景について、信州大学の本田秀夫教授が言及した。特に自閉症スペクトラム症や注意欠如多動症（ADHD）の児童数は、2019年度から2023年度にかけて大幅に増加した。発達障害の診断が増えた主な理由としては、診断基準の拡大と社会での認識の広まりが挙げられる。医師や教育関係者が早期に発見し、支援や療育に繋がりやすくなった。

また、大人になってから発達障害を受診するケースも増加しており、発達障害の理解が進むと共に特性に合った環境作りが重要だと指摘された。職場での合理的配慮や教育の場面での支援も求められる。特性を無理に治すのではなく、環境調整を行うことが必要だと述べられた。

近年、発達障害の診断が増加した背景には、社会的な理解の進展と診断基準の変化がある。これまで見逃されていた事例が診断を受けやすくなり、支援の手が差し伸べられるようになったことは大きな進展だ。しかし、それは単に増加したわけではなく、より多くの子どもたちが適切な支援を受けられる可能性を開いたとも言える。その一方で、依然として特性に応じた環境整備が必要で、無理に全員を「平均的」に育てようとする風潮が問題だ。特性を理解し、支援する方法を教育現場や社会で更に進化させる必要がある。

社会全体で理解を深めることが、次世代にとって必要な変革だ。

ネットからのコメント

1、幼稚園で働いていますが、２０年前に比べて本当に増えたと思います。それと同時に「昔いた、あの子も今だったら支援を勧めたなぁ」と思うことがあります。つまり、昔は「難しい子だなぁ」だけだったのに、今では名前がつく。悪い意味ではなくて、その子のことを理解してその子にあった対応を考えていける。配慮していける。どっちが良い、とかではないですが、そういう時代になったんだ、と思います。

2、上司の世代を見ていても、多分発達障害かな？って人割といますもんね。診断概念が広くなったとか・多くの人から認識された・発達障害を診療できる医師も増えたことで、昔だったらスルーされたこういう人が発達障害として拾い上げるられるようになったんでしょうね。ただ、個人的には発達障害があっても上の世代はそこまで困らなかったのかなとも思います。社会のあらゆる仕様・制度・サービス・仕事等が複雑化したことで、発達障害が原因で困るような事態に直面する人が増えたのかなとも思います。

それで必要があって病院を受診する人が増えたのかもと。

3、20年ほど保育士してます。確かに発達障害という言葉が広がって早くから診断されるとか親が気づきやすいとかあるかもしれないけれど…昔はあんなにクラスの大半が話を聞かないなんて事あったかなー(>_<｡)って気持ちです。>

4、発達障害や身体障害、精神障害など障害というのが何なのか理解できていない人が多く、これが誤解や偏見を生んだり、合理的配慮という概念が受け入れられなかったりする原因だろう。外国人への理解が広がって、今では街中で見かける外国人に奇異の目が向けられることがなくなったように、障害者などもきちんと理解され、その持っている潜在能力を生かせる社会にしていくのが理想ですね。