ロシアは5月1日から「ドルジバ・パイプライン」を経由し、カザフスタンからドイツへ輸送される原油供給を停止することを発表しました。この供給停止は「技術的制約」を理由としつつ、中東情勢の緊張やウクライナ支援を強化するドイツへの圧力と見られます。カザフのエネルギー相によれば、ロシアのエネルギー施設へのウクライナ攻撃が影響しているとされています。この措置により、燃料不足や価格上昇の懸念がありますが、ドイツ政府はロストク港やポーランドのグダニスク港からの輸入拡大で対応可能としています。2021年時点で約30%だったロシア産原油の依存度を減らす一方、カザフ産の比率は14%に増加。そのうち約215万トンがドルジバ経由で輸送されており、影響はベルリンを含む地域に及んでいます。

ロシアの今回の供給停止は単なる技術的問題を超え、明確に地政学的戦略の一環であると考えられます。
これは現代のエネルギー安全保障が如何に国際政治と深く結びついているかを浮き彫りにしています。
今回のロシアによる原油輸出停止を受け、世界が直面する問題は決してシンプルではありません。この供給停止は表向き「技術的問題」とされていますが、実際にはドイツを含む欧州諸国を動揺させ、ウクライナ支援への圧力を強めるための地政学的な戦略と見るべきです。エネルギー依存を巡る問題の本質は、特定の国がパイプラインなどのインフラを支配することで、他国の経済や政策に影響を及ぼせる点にあります。
問題解決にはいくつかの方向性が考えられます。第一に、パイプライン輸送に依存しない輸入ルートの開拓と新たな供給国の確保です。ドイツがロストク港やグダニスク港に目を向けているのは一例ですが、中長期的には代替エネルギーへの転換をさらに加速させる必要があります。第二に、国際社会が一体となって、エネルギー供給を武器化する行動を抑制するルール作りを進めるべきです。第三に、原油価格の高騰を抑えるため、欧州諸国が協力して石油備蓄の放出や価格安定に動くことも欠かせません。
エネルギーは国家の基盤ですが、世界市場の力学によって簡単に揺らぎます。これが示す教訓とは、「エネルギーの独立性」と「多国間の協調」がいかに重要であるかということです。ロシアの今回の行動は、逆にエネルギー戦略を見直し国際協力を強化する好機でもあるのです。
ネットからのコメント
1、エネルギー安全保障について各国とも見直しを迫られている。ドイツは東日本での事故後に原発廃止を表明したがフランスは原発路線を続けた。そのドイツではロシアとか中国との関係強化を図ってきたけど、ここにきてしっぺ返しを受けている感じだ。やはりロシアとか中国はあてにできないと知る必要がある。日本もホルムズ海峡問題は30年以上前から提起されてきたが何ら前進していない。単価が上がっても見直しを進めるべきだろう。
2、ドイツははやまって原発を全て廃炉にして電力不足をきたし、フランスの原発から電力を大量に買って国民経済を疲弊させている上にロシアからのガスが来なくなれば相当苦しい状況に陥るだろう。ドイツのこの状況は再生可能エネルギーだけでなく原発も含めた多様なエネルギー原発の確保を行わなければ国を危うくするといういい先例になるだろう。
3、ドイツは、ロシアからの天然ガスパイプライン、ノルドストリーム2をバイデン前米政権の工作活動で破壊された。ウクライナ特殊部隊が関与したのではと疑われている。ドイツは、アメリカから、これまでの5倍の価格で天然ガスを輸入しているが、これが独企業のコストを圧迫、フォルクスワーゲン等の歴史ある企業が、国内工場を次々閉鎖する事態に陥った。原油の供給まで停止されれば、やはりアメリカが原油購入先の一番手になるだろうが、独企業の国際競争力は一層落ちる。アメリカには、日本とドイツをロシアから引き離しておくという戦略がある。日本は、15年ほど前までロシアのナホトカ原油を購入していた。それがアメリカからの横やりで輸入をやめざるを得なくなった。現在イスラエルとアメリカが引き起こしたイラン戦争によるエネルギー危機はこれからが本番、この回避のため、政府が原油輸入の多角化を積極的に進めているのは評価できる。
4、ウクライナ戦争は5年目に突入したが、その間にウクライナは軍事強国に成長したように感じる。元々ソビエト連邦の軍事部門の中核にあったウクライナには、そのような軍事強国の素養があったのだと思う。
従ってプーチンが賢明な指導者なら痛み分けでこの戦争を止めて、国力の回復に全力を注ぐと思うのだが、現実はそのようにはなっていない。プーチンが健在の間は、ロシアの衰退は止まらないのではないかと思う。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/d3aa93efa79f0aa80768e78b5de00174184936eb,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]