米トランプ政権が7日に発動した「相互関税」について、日本向けの負担軽減措置が適用されていないことが問題視されている。日本政府は、日米合意に基づき関税率を15％に設定し、15％未満の品目に対しては一律15％、15％以上の品目には上乗せなしの仕組みを説明。しかし、大統領令にはこの負担軽減措置が含まれておらず、日本から輸入される全ての品目に15％の上乗せが課される事態となった。

赤沢経済再生担当相は、米側が今後、大統領令を修正し、過剰徴収分は払い戻すと説明した。日米間の食い違いは合意文書の不在から生じており、米側の事務処理の混乱とされている。

政府の事務手続きの不備が、日本とアメリカ間で合意された内容に対する深刻な誤解を引き起こす事態を招いている。このような不透明な状況は、単なる事務的な混乱を超えて、国家間の信頼関係を損なうものだ。合意内容に沿った適切な措置が速やかに取られない限り、商業取引を含む両国の未来の協力に不安をもたらすだろう。

まず、国際的な合意に基づく実行は透明かつ一貫性を持つべきだ。合意文書が未整備なまま取り進められたこと自体が問題の根源であり、今後の交渉では合意内容が明確に文書化され、双方に誤解が生じないよう確実に管理されるべきだ。さらに、米側の関税措置の適用や修正についても、誠実な対応を求めるとともに、適時の修正と実施を保証することが急務だ。

ネットからのコメント

1、今回のことから分かるのは、合意内容は赤沢さんとラトニックの頭の中に存在し、トランプも大まかにしか把握していないということ。会談した時間を見ても、交渉相手はあくまでラトニックであってベッセントはサブで会っているだけ。ということは、この2人のうちどちらかが交代したら、合意の詳細な内容を把握している人がいなくなってしまうということですね。イギリスがやったように、１ヶ月くらいかけて合意の後から文章を作っていく努力をしてもいいんじゃないですかね。

2、違和感というか、危機感にも近いモヤモヤ感がある。何より日本側だけの発表という事は、発言内容に何の担保も無い点。米側の交渉相手と並んでの発表ならベスト、そうでなくても米側も同じ見解を発表したならば安心も出来ようが、何だか怪しい。印象でしかないけど、総理大臣も経済再生担当相もビクビクする余り、ペラペラしゃべり過ぎる印象がある。政治の事なんだからもう少し慎重に行動した方が良いと思う。思えば江戸末期の日米通商修好条約（俗に不平等条約とも）も、結局交渉担当の幕府の役人が手玉に取られて結んだ条約だよね。

あ～陸奥宗光みたいなレベルの政治家じゃなきゃ、アメリカと渡り合えないんだろうなぁ…日本の政治家も役人も小者過ぎる。

3、トランプ大統領との貿易交渉で相互関税は15％で締結したものの合意文書もなく後に米国側がどうとでも解釈できる口約束とは完全に失態である。トランプ大統領は二枚舌の所があり平気で覆す。日本側が米国に15％もの関税をかけられた上に81兆円もの投資をして利益の9割を米国側持っていかれるなど理不尽である。投資した利益の９割を米国に取られて投資が失敗なら血税からの負担になるような合意などあり得ない。石破首相は合意内容の詳細を国民に説明する義務がある。

4、見解の齟齬をきたしているのは日本に限りません。合意文書を作成したEUを含め、数多くの国がトランプ政権との意見の相違を公にしています。そもそも、書面上の約束を幾度となく反故にしてきたトランプ氏を相手に、合意文書一枚で事態が好転するわけがないのです。こうした状況を考えれば、責めを負うべきはトランプ政権であり、日本政府に落ち度はなかったと判断するのが道理でしょう。

もとより、トランプ氏のような理不尽な人物との交渉は、それ自体が極めて困難なことです。しかし、無責任な野党やメディア、そして世論は、なぜかトランプ氏ではなく自国政府を非難しています。トランプ氏の言動に左右されず、日本が一致してトランプに約束の履行を迫ることが肝要ではないでしょうか。国内でいがみ合うことは、ただアメリカを利するだけです。