JR東日本法務担当者が、許可なく裁判所での民事訴訟のやり取りを録音していた問題が明らかになりました。録音は少なくとも2017年4月から2021年までの4年間にわたり続き、目的は「正確な記録を作り、訴訟の経過を確認するため」とされています。しかし、録音行為は最高裁ルールに抵触する恐れがあり、不適切な行為と認定されました。多くの社員が会社支給のICレコーダーを使用し、記録を共有していましたが、その後録音データは消去されたといいます。社内調査の結果、違反を認識しながらも行動を継続していた事実が判明し、2022年に関係者の処分と再発防止策が講じられましたが、事案の公表は行われませんでした。

企業としての倫理観を疑わせる本件は、法務担当者という信頼される立場自らが司法の規則を軽視する形で、制度の欠陥にも似た深刻な問題を露呈しました。
このような行動が4年間も続けられた背景には、社員個人の判断のみではなく、組織全体のコンプライアンス意識の欠陥があると言わざるをえません。さらに、内部通報から事案が表面化したにもかかわらず、その詳細が公表されないことは透明性の欠如を示しています。
改善には三つの視点からの取り組みが必須です。第一に、法務担当者の倫理教育を徹底し、司法と法務職の隔たりを埋める意識改革を促すこと。第二に、コンプライアンス違反を厳正に処分し、公表することで組織全体に危機感を持たせること。第三に、社内内部通報制度や調査機関を強化し、違反が隠蔽されるリスクを排除する仕組みを整えることです。
法務職が遵守すべき規範への理解を欠けば、市民の信頼を失うばかりか、司法そのものの信頼性にも影響が及びます。コンプライアンスは単なる形式的な取り決めではなく、社会全体の調和を守る重要な基盤です。本件が問いかけるのは企業の責任の重さと透明性の意義です。その再認識を促す自浄作用こそが本当の再発防止策ではないでしょうか。
ネットからのコメント
1、証人尋問だと記録すべき量が多いし裁判所から送付される尋問内容の記録は結構時間がかかるから録音したくなるのは理解はできるけど、弁論準備では分担して記録をすれば、そこまで手間はかからないから理解に苦しみます。
仮に会社として一言一句まで正確な記録を求めていれば担当は録音したくなるでしょうから、会社としてもよく検証した方がいいかな、と思います。
2、複数の社員が数年に渡ってそうしている、というのは会社の仕事のやり方に従っている、ということ。処分される社員は気の毒だな。裁判の録音、録画については、取調べの可視化と同様に、可とする議論がなされるべきかと。
3、社から指示は無かった?会社自体から指示は無かったのだろうが、上司からは指示があったのだろう。役職も何も公表されていないから分からない部分ははあるが、ワザワザ公判の様子を1社員が趣味で録音するとも思えない。会社に不利益が無いか、はたまた内部通報などで会社に不利益がないかなど、調べる為しか思えない。会社ぐるみではないとしても、部署ぐるみと言うのは考えられる。きちんとした調査を行い、公表すべき事案だと思う。
4、録音したい気持ちはすごくわかる。しかし、この件は次の点で問題です。裁判が原則録音禁止というのは、法務であれば基本中の基本。それが守られていないというのは、JR東の法務のコンプライアンスに対する意識があまりに低いということ。
会社として支持したわけではないというが、禁止行為を指摘する者もいなかったわけであるから、黙認していたのと同じ。どちらにしても、JR東の、しかも法務のコンプライアンスはこの程度の基本的事項すら守らない点で、問題です。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/c1585195e0c8be2cbca152e251a2930322059452,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]