スイスで14日、人口を2050年まで1000万人に制限する「移民制限案」に関する国民投票が実施されました。給与水準の高さから移住者が多く、総人口912万人のうち外国籍者が約3割を占めるスイスでは、移民増加の是非を巡って世論が二分。賛成派は「移民で労働市場が圧迫される懸念」を主張、反対派は「経済成長の妨げになる」と訴えました。最終結果は反対55%、賛成45%で否決されました。この結果は、移民問題を通じた国民の葛藤と経済的な利益の狭間を反映したものです。

スイスが見せたこの選択は、移民を巡る現代社会の難題を象徴しています。賛成派の不安は理解できるものの、「人口上限」という方策が問題の根源を解決するとは到底言えません。その理由は以下の通りです。
まず、制限の曖昧さが挙げられます。1000万人という数字は具体性を欠き、採用後には何をもって成功とするか、誰が決定権を持つかなどの問題が未解決のままです。
そして、スイスの経済成長を支える移民の重要性を無視してはいけません。彼らは医療や製造業、サービス業などで不可欠な役割を果たしており、無闇な制限は経済を縮小させる恐れがあるのです。
解決策として、まず移民政策を緩やかな調整型に切り替えることが提案されます。スイス人に優先雇用の保障を設ける法的枠組みの強化や、移民の教育水準や職業スキルに基づいた選別によって、両者の利益を均衡させる道が開けるでしょう。また、外国籍者の地位を強化することで、迅速な経済統合など相乗効果が期待できます。最後に、上限案に費やした議論のエネルギーを、社会福祉や雇用の底上げといった内政の改良に向けることで、より息の長い社会安定が確立できます。
いずれにしても、制限や排除ではなく、統合と共生への道を模索することこそ、スイスが掲げる平和的中立精神の真意に近いのではないでしょうか。
ネットからのコメント
1、スイスは直接民主制の国で、国や地方の議会で法案などが決議されたら、そのあと国民投票が行われて国民が直接その採決に参加できる。移民問題だけ投票が行われているわけではなく、ほとんどの法案でそれが行われる国であることには留意しておく必要がある。
国民が個々の法案についてよく考える機会が多いのはいいことだと思う。
2、移民賛成派は日本人の人手不足を補うとよくいいますが日本人が嫌がる仕事を移民にやらせる考えに繋がるダブルスタンダードにならないか?移民は奴隷じゃないですよまずは日本人だけでやって人がこなければ賃金を上げればいい賃金が低いのに移民きても移民も給料やすいよまずは移民を止めて国内の時給を上げていくのが正解です
3、実はスイスの場合は他のヨーロッパ諸国と状況が異なります。2013年から22年までの10年間の流入外国人のうち、EU圏内からが2/3を占めるからです。これは隣接するドイツ、フランス、イタリアからが多いのですが、スイス国内はそれぞれ各国の言語が公用語の州があり、逆に国内統一の共通語がありませんので、「外国人」はそれぞれ母国語のまま働けてしまうケースが多かったりします(第二言語話せる人も多いです)。先進国からの流入が多いのと、スイスは日本と同じ血統主義なので国籍取得が難しいこともあります。しかも出生率はスイス人で1.
2、スイスの外国人でも1.5(周辺国の出生率低い国々出身だから当然)と外国人でもフランスの出生率よりも低いので、日本と同じく、実は少子高齢化が極めて著しいのが実情です。
4、確かに人口の抑制は、自国民の職が奪われることになる一方で、人口を抑えると経済成長も阻まれることにもなりますよね。人口問題は、単純に賛成か反対かで割り切れるようなものではないと感じます。今回は経済の維持を選んだ形ですが、55対45という結果は、世論が真っ二つに分かれていることを示していると思います。移民受け入れと国民生活のバランスをどう取るのか、日本も他人事ではなく、大変難しい問題だと思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/8a8bfb8bc49cb57773a567ce3513ca6acfbcf039,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]