事件概要:
2026年1月4日、ベネズエラのロドリゲス副大統領は米国との協力を表明した。この動きにより、トランプ政権が計画していた地上部隊の派遣は当面回避される可能性が出てきた。しかし、ベネズエラ国内ではメガギャングと呼ばれる麻薬組織が50以上活動しており、現地の治安情勢は極めて不安定である。さらに、近隣国コロンビアでは極左ゲリラELNが武装攻勢を強化しており、ベネズエラ情勢は複雑化している。過去に米国がイラク戦争で泥沼化した例もあり、ベネズエラに深入りすることで再び莫大な支出と長期的リスクを招く可能性が懸念されている。
コメント:
米国がベネズエラへの関与を深める状況には、地政学的なリスクの重層性が際立つ。今回の事例は、表面的には米国とベネズエラの協力関係の進展と見えるかもしれないが、実際には治安の崩壊や制度的貧困が放置されている点が問題である。強力な麻薬組織が国内を実質的に支配し、隣国の極左ゲリラが武力攻勢を強化する現状では、不安定な地域へ軍事的介入を行うことは極めて危険である。
その本質は、制度的欠陥への改善がないままに、ただ軍事力による解決を試みてきた歴史的な構造問題にある。
改善策として、(1)地域内の経済発展支援を通じた武装勢力の減退、(2)国際機関による効果的な監視体制の確立、(3)武装勢力への外交的働きかけにより犯罪構造を分断することが挙げられる。さらに米国自身も、自国のエネルギー依存構造を今一度見直すべきである。価値観の対比として、「安定した国際協調」か、「終わりなき戦争」かを選ぶべき局面に立たされているといえる。このような不透明な関与は、長期的な安全保障にとって負担であるのみならず、国家としての倫理的責任にも反するだろう。
ネットからのコメント
1、アメリカがベネズエラを統治・運営した場合に、アメリカ企業はもうけるが、ベネズエラ国民の生活がよくならなければ、不満、テロ、犯罪が増える。ベネズエラの経済生産性が悪いので、すぐに国民の生活がよくなることはないだろう。麻薬の密売組織の根絶もすぐには難しいのではないか。アメリカがアフガニスタンを占領しても、アフガニスタンでの麻薬生産が続いた。
植民地の統治は簡単ではない。かと言って、ベネズエラ人の政権に任せれば、反トランプ派が選挙で勝つかもしれない。下手をすれば、ベトナム(南ベトナムはアメリカの傀儡政権だった)、イラク、アフガニスタンのように泥沼化するかもしれない。
2、強権的な政権が倒れれば、国内の反対派が喜ぶのは自然である。しかし、それが外国勢力、特に軍事力によるアメリカの介入によって行われ、国家の主権や資源支配が事実上アメリカに握られるなら、反政府派であっても支持できなくなる。多くの国民は「独裁も嫌だが、外国支配はもっと嫌だ」と考えるだろう。その結果、占領や傀儡政権に対する抵抗が武装化し、ゲリラ闘争や内戦へと発展する可能性が高い。実際、アメリカが軍事介入によって政権交代を実現した国々(イラク、アフガニスタンなどなど)では、治安の崩壊、社会の分断、長期的不安定化が繰り返されてきた。そして最終的に、アメリカは米軍による政権維持コストが見合わなくなると撤退し、混乱だけが現地に残される。ベネズエラにおいて同様の介入が行われた場合、反マドゥロ派であっても民族主義的抵抗に転じ、国家全体が不安定化する可能性は高いのではないか。
貧困が諸悪の根源
3、イラク戦争を行ったアメリカは、世界の尊敬と信頼を一気に失った。21世紀初頭にアメリカが持っていたハード・ソフト両面の国力が正しく用いられていれば、世界は混沌への道を歩まずに済んだのではないか。ベネズエラでの作戦上の成功に気をよくしたのか、トランプ大統領はグリーンランドの領有まで口にしているが、私たちが西側という枠組みの中で信じてきた価値観は、もはや風前の灯と化している。近現代の政治的価値観を絶対視しても、日本の国益を守り抜くことはできない。私見を言えば、中国との対立を先鋭化させず、中庸と調和に基づく東アジアの伝統的友好関係の再構築を目指すべきだと思う。
4、ベネズエラ人は今は独裁者から解放されてトランプに感謝しているかもしれませんが、彼は慈善事業をしている訳ではありません。もしアメリカに逆らえば、再攻撃も辞さないと明言しているのです。そして貴重な石油資源を奪い、もしかすると麻薬産業さえ継承して利益を得ようとするかもしれないのです。物事を善悪ではなく、損得勘定で判断して、自分の懐を肥やすことしか頭に無い、何故こんなのを大統領に選んでしまったのか、他国の事とはいえ、悔やまれます。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/d47ce82707f53c6e181613753fc67129ec5337b7,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]