2025年7月14~15日、中国の習近平指導部は北京で「中央都市工作会議」を開催し、10年ぶりに都市開発方針の転換を発表しました。これまで急速に高層ビルの建設を進めてきた中国は、超高層ビルの建設を厳格に制限する方針を示しました。背景には、不動産不況と高層ビルの必要性や安全性への疑問が影響しています。
中国の都市開発は「急成長から安定した発展期に入った」とされ、今後は大規模開発ではなく、住みやすい街づくりが重視されるべきだと強調されました。中国の都市には世界の超高層ビルの上位10位中5棟があり、上海タワー(632メートル)が最も高いですが、地方都市でも高層ビルの建設が進み、工事が未完了のまま放置されるケースも増加しています。
中国の超高層ビル建設の無計画な推進は、単なる経済成長の象徴として、都市の景観や住民の安全を無視してきたと言わざるを得ません。特に、地方都市においては、高層ビルがシンボルとしての意味合いだけで推進され、その結果、完成しても利用されずに放置される事態が頻発しています。これは都市開発における根本的な欠陥を示しており、公共の安全と経済的な持続可能性を考慮した開発への転換が急務です。
問題の本質は、無秩序な開発競争にありました。高層ビル建設が一種の競争となり、都市にとって本当に必要なインフラや生活環境の整備が後回しにされてきたのです。これを改善するためには、地方自治体の計画的な都市開発と、住民の生活の質を重視する方針への転換が必要です。例えば、公共交通機関や教育施設など、基本的なインフラの整備を最優先し、無駄な開発を避けるべきです。
さらに、不動産業界の安定化に向けて、政府の介入が求められます。過剰な開発による不動産バブルを防ぐために、規制と監視を強化し、経済のバランスを取ることが重要です。こうした視点から、今回の方針転換は遅きに失した感は否めませんが、今後の都市開発が住民重視の方向に進むことを期待したいです。
ネットからのコメント
1、素晴らしいと思います。日本でも、建築費高騰などで再開発の見直しの話が出てきています。また、環境面でも東京都心の沸騰化対策は待ったなしですね。品川までは高層ビルだらけですが、蒲田に来ると高層ビルが無いため羽田空港方面からの海風で涼しいんです。ぜひ、蒲田の風を感じていただきたいですね。
○○ビルズとかミッドタウンみたいなディベロッパー主体の同じようなコンセプトではなく、再開発するにせよ地域の特色ある再開発をお願いしたいです。
2、正確に言うと需要の先食いをしすぎてしまったため、実際には建てても実需が存在しないということでしょうね。北京や上海ですらオフィスの空室率は去年時点で20%を超えています。二級都市以下であれば更に酷い状況でしょうし、今年以降空室率が好転する要素は皆無です。ちなみにいわゆる東京都心5区の空室率は3%台の真ん中くらい。テレワークの終了や縮小が相次いでおり、今年に入って空室率は下がっているほどです。近年良く東京でもビルを作ってテナントがガラガラなのでこれ以上ビルを作るなと言う話を聞きますが、これはあくまでも下層階の商業施設の話で、上層のオフィスは満床ということはよくあります。
3、日本は少子高齢化だから超高層ビルは必要ありません。東京湾の海風が内陸部まで届くよう高さ制限しましょう。大規模火災になれば屋上ヘリポートも熱風で利用できないと考えます。
4、そりゃ、先のミャンマー地震で震源から離れたタイで中国の大手建設会社のビルが簡単にペシャンコ…。
近くの日本ゼネコンのビルはビクともしないのに…。そんな中国の建設会社が作った超高層ビルが中国のあちこちに乱立…。そりゃビビるよね取り壊して建て直す訳にもいかずしかも悪い事にそん建設会社がこの1社だけでなく山のようにあり争うように作ってしまったのでほぼ品質は期待できない。次の都市開発まで待って取り壊しまで倒壊せず持てば良いけどね。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/f8bb374c3a2f941ab5a6a03dd81e68f6d16c64b3,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]