2025年、上場企業による自社株買いが過去最高のペースで進行しています。特に、三菱商事が1兆円、セブン&アイ・ホールディングスが6000億円、信越化学工業が5000億円の規模で自社株買いを実施しています。2024年の自社株買いの実績は前年比1.7倍の14兆9067億円に達し、2025年は既に9兆4332億円に上り、20兆円規模に達すると予想されています。
これにより、日本株全体の押し上げ効果が生じ、企業の自己資本利益率(ROE)や株価純資産倍率(PBR)の改善が期待されています。一方、株価を割安な状態に放置すると企業の買収リスクが高まるため、自社株買いは企業側にとって重要な対策とされています。経済産業省の有識者会議では、短期的利益を追求するあまり、成長投資が疎かになることが問題視されています。
【批判型】
現在の自社株買いの急増は、日本企業の経営の短期主義を象徴しています。企業が株価を意図的に押し上げる一方で、長期的な事業成長への投資が後回しにされている現状は、非常に危険です。特に、経済産業省が指摘するように、アクティビスト投資家の圧力を受けた自社株買いは、企業の将来投資を犠牲にする可能性が高い。
このような短期的な利益追求は、企業の持続的な成長を妨げ、競争力を低下させる恐れがあります。
解決策としては、企業は株主還元と並行して、中長期的な成長を見据えた投資を行うべきです。第一に、研究開発や新規事業の拡大に積極的に資金を投入すること。第二に、企業の社会的責任(CSR)を重視し、環境や社会貢献に向けた投資を強化すること。第三に、経営者が株主に対して、成長戦略を明確に示し、理解を得る努力を続けることが求められます。企業価値を向上させるためには、目先の株価の上昇ではなく、持続可能な成長を実現するための投資が最優先です。
ネットからのコメント
1、自社株買いからの増配も嬉しいけれど、20%の譲渡益税を10%にしてくれれば、なお嬉しい。売買が活発になれば、国税も増えて一石二鳥だと思うんだけどね。国ががめつすぎるんだよ。会社から法人税を取り、その利益還元から更に譲渡益税を取るって。
2、2025年を通じて、日本の個人投資家は全体として日本株を売り越す傾向が続きました。一方、外国人投資家は主に上昇局面で買い越し、日本株市場の活況を主導しました。その結果、株価上昇による利益の多くは海外投資家に帰属し、国内の個人投資家は短期的な売却や空売り、そもそもの投資不参加により、その恩恵を十分に受けられなかった面があります。
コレほどの規模の自社株買いが事前に予告されていたにもかかわらずです。また、非投資家層にとっては、物価上昇の影響により実質的な資産価値の目減りが進みました。特に現預金比率が高い家庭では、インフレによる購買力の低下が避けられなかったと考えられます。コレほどの規模の自社株買いが事前に予告されていた..投資はあくまで自己判断・自己責任に基づくものですが、投資行動の遅れや資産運用への関心の低さが、結果として国内の富の偏在や実質損失につながった可能性は否定できません。
3、自社株買いしないと、株価を維持できないのは、日本のマーケットに魅力が無いから。一番問題なのは、株価の上昇局面では、海外投資家が大きく日本株を買って、時間が経つと高値で売られる。そして、株価が下がったところで、自社株買いをする。これだと、日本の資金が海外に流出しているだけになる。
4、自社株買いで株価を上昇させるのは非常に良い事だが、その原資が消費税を大幅に増税して、その分、法人税を大幅に減税し、法人税が減った分の利益が従業員の給料には一切使われずに自社株買いや配当金に使われているのは良くない事だと思う。
これからは法人税の減税分に頼らずに自社の利益のみで自社株買いや配当金を増やす努力をして欲しい。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/093fe5be820a3cd7fc5ff802a4e654f4060558fb,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]