元ボクシング日本王者の斉藤裕太氏と元世界王者の長谷川穂積氏が、TOKYO MXの番組でボクサーの過酷なファイトマネー事情について語った。斉藤氏によれば、日本チャンピオンのファイトマネーは現金で約100万円であり、マネジメント料や健康保険などの費用を引くと約60万円しか残らないという。さらに、選手は興行主から渡される200万円分のチケットを自ら販売し、売り上げから100万円を返却する必要があり、売れ残り分は自腹で負担する状況である。

一方、長谷川氏によると、世界チャンピオンのファイトマネーはより高額であるが、マネジメント料33％の引き下げ交渉はできないと説明された。選手たちは減量と仕事を両立しながらこの厳しい状況に対処している。

これは明らかに不公正で改善の余地がある制度である。まず、日本のボクサーのファイトマネーが驚くほど低いことは、才能あるアスリートたちへの不当な待遇を示している。彼らは身体を張って戦い、国民に感動を与える存在であるにもかかわらず、適正な報酬を受け取ることなく、他の仕事を兼業しなければならない状況は極めて問題だ。ボクシング界の制度の改善には、以下の方策が必要とされる。

まず、選手のファイトマネーの最低保証額を引き上げることが求められる。また、マネジメント料の割合を柔軟に見直し、選手の手元により多くの資金が残るような仕組み作りが必要だ。

さらに、チケット販売の負担を軽減するために、プロモーションの支援体制の強化も不可欠である。これにより、多くの才能ある選手が専念できる環境が整備され、ボクシング界全体の発展にも寄与するだろう。このような制度改革は、スポーツ界の長期的な繁栄にとって急務であり、選手への適正な報酬と待遇の保証が求められる。

ネットからのコメント

1、お笑い芸人や劇団員なんかも似たような構図ですよね。昔、知り合いからよく分からない興業だけど、チケット買って欲しいと言われました。この記事を見て面白くもなんともない下北の小劇場に何度か足を運んだことを思い出しました。体を酷使して日本一になっても100万円から手数料引かれて手元に残るのが60万円ほど。。。本当に大変な職業ですね。。。

2、ボクシングファンはそれなりにいても、いくら世界チャンピオンクラスの選手であろうが、チケットを購入してわざわざ見に来てくれる人なんてごく僅かですからね。家でテレビとかで無料で観れるから見るという人が圧倒的に多い。お金を払って移動して時間を使って何かを見るってかなりハードルが上がりますからね。

これはスポーツに限らず何かのライブでも同様です。ですから人をわざわざ動かす事ができる人って本当に尊敬できます。多くの大人は普段の仕事で疲れているので面倒くさいとなるのが普通ですから。

3、デビュー戦のときはご祝儀がわりに気前よく買ってもらえたとしても、これが２戦目、３戦目ってなってくると、気まずくてお願いもできなくなります。平日の夕方だし、よっぽどの有望選手じゃないとチケットをさばくのは苦労してるんじゃないかな。トランクスやシューズを新調しようもんならマイナスになるケースも多いと思います。

4、>またチケットは選手の手売りだといい、ファイトマネーが100万円の場合、200万円分のチケットが興行主から選手に渡され、売り上げ金から100万円を興行主に返却、残りの100万円が選手のファイトマネーとなるが、売れ残ると選手の自腹負担になる。チケットを売り捌く後援者やスポンサーなどのツテがある選手ならともかく自身の仕事の合間に、試合に向けてのトレーニングとチケット営業を兼ねるなんて、かなり選手にとって厳しい環境。

いつかプロ野球やJリーグのように選手自らがチケット販売の営業など考える事なく競技に集中出来る環境が整えられたら良いが、中小零細のジムの寄り合いのような業界で帝拳や大橋のようなジムが大手の立ち位置を占めているようでは、旧態然としたこの業界の構造は今後も変わらないのかな