2024年には電気自動車（EV）の販売台数が前年比約35％増の約1400万台に達し、2025年にはさらに2000万台を超えると予測されている。しかし、欧州と米国では成長率が鈍化し、中国では激しい価格競争が利益を圧迫しています。このような市場のねじれを背景に、トヨタ自動車は「マルチパスウェイ」戦略としてハイブリッド車（HV）やプラグインハイブリッド車（PHEV）、燃料電池車（FCEV）を含む多様な選択肢を提供しています。

トヨタの慎重な判断は、地域ごとのエネルギー事情に応じた戦略であり、サプライチェーンの安定性を高めました。各社がEV専用の設備投資を進める中、トヨタの柔軟な姿勢が部品・設備メーカーのリスクを分散し、今後の競争力を左右する重要な要素となっています。

EV市場が全体として拡大を続けつつも、市場の多様性と地域差が浮き彫りになっている現在、批判の目は特に過剰なEVシフトに向けられるべきです。市場の地域差や価格競争を見誤り、無分別な投資を進めた企業は、今こそその欠陥を反省すべき時です。制度や政策の過信が市場の捉え方を歪め、特定地域での不適切な成長期待を生み出しました。EV市場の地域ごとの成長予測を正確に捉え、柔軟なポートフォリオ戦略を考慮すべきです。

具体的な解決策としては、まず、投資多様化の推進を通じて安定性を確保することです。

次に、市場の地域差に即した柔軟な投資計画を持ち、リスクを分散することです。最後に、政策・制度の変化に姑息に応じるのではなく、持続可能な長期ビジョンを描くことが重要です。今後、決断力不足や時流に流されることのない鋭い判断が、企業の命運を決定します。

ネットからのコメント

1、今ハイブリッドは正しいと思うし、将来水素は正しいと思う。水素は燃焼させるエンジンでも良いし、燃料電池に使うのも良い。バッテリーはその重量から大きなものはどうかと思うが、水素エンジンとのハイブリッドなら有効だ。核融合発電が始まる前に、海水から重水素を取り出す作業が始まるが、副産物としてH2の水素も取り出せないのでしょうか。水素エンジンはもうできているので、水素インフラの整備次第だと思う。

2、日本は直ちにEV補助金をやめるべきである。一部のお金持ちや変わり者の為に、何故補助金というなの税金を出さなければならないのだろう。殆どの一般市民は、軽自動車やガソリン小型車を買っているのだから、補助金を出すなら、そちらにする方が有難い。

3、EV車が正義だとか悪だとかではなく、あくまで自動車の選択肢としてしか見なかったトヨタ。

持ってる資本の中で可能なのであればこれが一番なんだよね。最初から言われてた事だけど、車にも適材適所ってもんがある。環境問題という言葉を振りかざし、無理矢理EV一色に移行させようと動いたのがもう間違い。メーカーは恐る恐るで消費者に選ばせれば良かったんだ。

4、トヨタの判断が結果として良かったのは判断を固定化しなかったからであると言うのはそうなんだけど、根本の要因はトヨタの文化にあるんじゃないかなトヨタって超大企業なんだけど社内での対話の文化がそう言った判断に繋がってると思うお偉いさんがこうだ！って言って傾倒していくのではなく、実務者レベルから本当によく対話をして上の人とも意見を言い合う。自分の意見をしっかり言って積み上げていく文化が今のトヨタにはあると思ってる