事件概要:「火垂るの墓」は、戦争末期の神戸で飢餓と孤独に苦しむ兄妹の物語を描いた高畑勲監督のアニメ映画で、今年8月15日、7年ぶりに「金曜ロードショー」で放送されることが決定した。原作は野坂昭如の同名小説で、彼は戦争体験を描きながらもその後、作品を一度も読み返さなかった。その理由は、自身が抱え続けていた自責の念にある。
原作の戦争体験を通して生まれた「戦災孤児」という虚構に対し、映画では高畑監督がその視点を離れようとし、「自己憐憫を描かない」と語っていた。両者のアプローチには相違があり、戦争の残酷さと兄妹の絆が共に描かれている。
コメント:「火垂るの墓」を通して伝えられるのは、戦争の悲劇だけでなく、戦争を題材にした作品をどう描くかという難しさも感じられます。原作における虚構と、映画で描かれた生きる力強さ、その対比には深い意味があります。戦争という歴史的事実を再現する一方で、登場人物たちの生き様には、観る者に対して強いメッセージを発しています。高畑監督が「自己憐憫を描きたくない」と述べたように、彼は戦争の悲惨さを描きつつも、視聴者がそこから何かを学び、前に進むための力を感じ取れるような形を模索したのでしょう。
野坂の作品と映画のアプローチの違いは、それぞれの作家がどのように戦争を乗り越え、いかに人間の尊厳を描こうとしたかの違いであり、その解釈に触れることでさらに深く作品を理解できるでしょう。
ネットからのコメント
1、生きよう、としても結局最後はそうならなかった戦時中の無情。確かにハッピーエンドじゃあ戦争の悲惨さは伝えられない。実際戦争孤児がたくさん出て、その孤児それぞれに極限の苦労があったのは事実。こんなことを繰り返してはならないと言うメッセージを込めるためだとしたら、盛ったとしても意味があることだと思う。
2、小説はあくまで小説。自叙伝として書かれたものではないですからね。映画に関しても、まずは多くの人にもらって興行として成功することが1番重要ですから、リアリティだけ追求するのではなく、子供から大人までそれぞれの視点で心を揺さぶるように作られているでしょう。戦時が舞台のアニメ映画は火垂るの墓が有名ですが、「この世界の片隅に」も良い作品です。
3、子どもの頃に初めて見たけど、戦争の怖さをただただ感じた。大人になるなると、また違ったこと虹気付くんだけど、子どもの頃はただただ怖かったよ。家族と離れ離れに、生き別れに…空からは爆弾が落ちてくる…家が無くなって、親も亡くなって、空襲で生き延びられたとしても食べ物が無くて、結局亡くなっていく…こんな恐ろしいことが起きたら…ただただ怖かった。だって、実際に戦争も空襲もあったわけだしね。
4、本当に素晴らしい作品で、皆さんに見て欲しい映画ですが、幼い頃の私は見ていると感情移入して辛くて見てられなくなりました。今では息子と娘がいますが、余計に映画の兄妹と重ね合わせてしまい、予告を見るだけで涙が止まらなくなります。
でもそれだけ感情に訴える作品が世にどれだけあるでしょうか?戦争の醜さを教えてくれる作品です。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/28a4cd553c10206524a3b21c80eb19339d26f945,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]