事件概要

テレビドラマ『良いこと悪いこと』の最終回が放送され、衝撃的な展開が話題を呼んでいる。ドラマでは連続殺人事件の真相が明らかとなり、主人公・高木が過去の虐待が生んだ深い因縁と向き合わざるを得ない状況に陥る。高木の同級生で刑事の宇都見が過去のイジメ被害を背景とした殺人に関与していたことが判明し、追悼コンサートで彼が逮捕される。

しかし、高木自身もイジメの「リーダー格」であったことが報じられ、彼の娘がイジメのターゲットになるなど新たな被害を生む。さらに、複数の関係者が事件に絡んでいたことが明らかになり、高木は「復讐の代行」として拳銃を手渡される重い選択を迫られる。心理的に追い詰められる展開に視聴者から動揺の声が上がった。

コメント

ドラマが描く深刻なテーマ、その背景には現代社会の病理が滲んでいる。本件において最も異常なのは、復讐劇が多くの人々を巻き込み、被害者と加害者の境界が曖昧になっている点だろう。イジメで負った傷が、加害者を新たな加害行為に駆り立てる。これはただの個人間の争いではなく、社会全体の制度疲弊や教育の無策が生んだ構造的問題として捉えるべきだ。

根本的な問題は、「加害」に至る孤独と絶望を誰も救えなかった社会の不作為である。

まず、イジメ被害者を守り、再生の道を提供する支援体制が必要だ。また、学校や地域の枠を超えた連携しやすい相談窓口や、加害者となる子どもたちに復讐を選ばせないためのカウンセリング施策の強化も重要だ。さらに、事件が報じられた際に二次加害を抑止するための報道ガイドラインを設け、偏見と新たな被害の連鎖を防ぐべきだろう。

イジメの問題を過去の出来事として片付けるのではなく、次の加害を生む「予兆」として受け止め、積極的に介入する意識が求められる。家庭や社会が互いを守る絆を持たなければ、傷ついた人々が更なる痛みを広げる生態系は解消されない。そんな残酷な現実に向き合い、反省と行動を起こすことこそが、このドラマが私たちに突きつけた本質的な課題なのだ。

ネットからのコメント

1、たぶん凄く良い作品だったと思います。でも私は1話で観るのをやめてしまいました。理由は小学生の時に酷いイジメにあっていて、観ていたら、フラッシュバックのようになり息苦しくなってしまったからです。もう遥か昔だし、自分の中では辛い時期だったけど、乗り越えて生きていけてると思っていたけど無理でした。

途中リタイヤしたからドラマの内容は詳しくはわかりませんが、イジメてる側は忘れても、イジメられてる側は深く傷をつけられて、表面上は治っても、えぐられた傷は修復出来ないんだと認識してほしいです。

2、9話でキングがコンサート会場でカッターナイフをもって宇都見に殺意を感じる場面と、10話でイマクニに銃を握らされイマクニに銃を向け震える場面。この２つの場面のキングの心理状態が友人を殺された犯人への憎悪なのか自分自身が糸を引いてしまったイジメへの贖罪の気持ちなのか、その両方なのか、感情の入り混じり方の解釈は受け止める人によって差があるように思えた。どれが正解ということではなく余韻を残すいいエンディングだったと思う。

3、東雲さんのアポロの記事の第2弾が気になります。初回で元いじめっ子だったAさんが塗装店を営みのうのうと暮らしていることを掲載。その記事が発端となって特定された高木塗装店は落書きされ、娘の花音はイジメられることに。第2弾ではその辺りを取材し、自分の記事によって新たなイジメが生まれたこと、今度は花音ちゃんをイジメた人たちがAさんと同じだと弾糾し、将来同じような運命を辿るかもしれないという記事を上げればいいのにって思ってました。

4、いじめられる子にはいじめられる理由は無い。いじめっ子気質の子に出合ってしまったというのが悲劇だと思う。いじめる側の子は、相手の気持ちを想像しない、または想像出来ているけどあえていじめている。 目立つ行いを率先していたのはキング。それを支持するターボー。リアルに陰湿ないじめ行為はニコちゃんと委員長。良くないことを煽る貧ちゃん、カンタロー(この２人は考えが浅いタイプ)。ちょんまげは元々自分に自信が無いことを、強いグループに入るという選択肢が間違っちゃった子、そして作品壊すとかやりすぎちゃった(武士じゃなくて侍、というくだりがまさに従者を表してるな、と) 立場が強い側がいじめをする。 人数などで立場を強くしてさらにいじめる。立場を強くするというのはヒトの本能かなと思うけど、いじめる行為はなぜするのだろう。色々な事を考えさせられる良いドラマでした。