2025年、インターネット上の誹謗中傷投稿者を特定するための「発信者情報開示命令」の申立件数が全国で初めて1万72件となり、前年の6779件から約1.5倍に増加した。2022年の制度導入以降、利用件数は増え続けている。うち9343件は東京地裁に集中した。従来は投稿者特定まで約1年かかる場合もあったが、新制度では東京地裁で2024年末までに終結した事件の平均審理期間は約103日に短縮され、被害者救済の迅速化が進んでいる。

誹謗中傷がここまで深刻化し、発信者情報開示の申立件数が初めて1万件を超えた事実は、ネット社会のモラル低下を数字で突きつけている。手続きが使いやすくなったことは前進だが、それ以上に被害そのものが減っていない現実を重く受け止めるべきだ。問題の本質は、匿名性への過信、プラットフォームごとの対応のばらつき、そして加害者が責任を軽く考えやすい環境にある。
制度を整えるだけでは根本解決にはならない。第一に、悪質な投稿への削除・情報保全を迅速化する共通ルールを整備すること。第二に、SNS事業者へ透明性の高い対応基準と定期的な公表を義務付けること。第三に、学校や職場でネットリテラシー教育を継続的に実施し、加害の重大性を社会全体で共有すること。匿名は無責任の免罪符ではない。誰もが安心して意見を発信できる環境を守るには、自由と責任を同じ重さで扱う社会へ変わる必要がある。
ネットからのコメント
1、被害届を出せば、対象者は刑事的な罰は受けるだろうけど、民事的な事はとんでもない事になってる。裁判所から賠償命令が出ても、被告人に支払う義務はない。だから、支払わなくても逮捕されないし、踏み倒しても法的にも問題ない。この問題は早急に解決しなければならないと思う。
2、発信者を特定しやすくなったのは被害者にとって前進ですが、それだけで誹謗中傷がなくなるとは思えません。投稿者が分かっても、裁判には時間も費用もかかり、精神的な負担も小さくありません。また、賠償命令が出ても、相手がすぐに任意で支払うとは限らず、支払いがなければ強制執行など別の手続きが必要になる場合もあります。
被害者にとっては、判決を得てもそこで終わりではない現実があります。匿名アカウントは作り直せるため、同じ人物が別の名前で誹謗中傷を繰り返すケースも指摘されています。被害を減らすには、開示制度だけでなく、SNS事業者による迅速な投稿削除や再発防止の仕組み、利用者へのモラル教育も重要です。被害者が泣き寝入りせずに済み、加害者にも責任を果たさせる仕組みをさらに充実させてほしいです。
3、私も2件目の申立て、刑事手続きを進めてますが、期間がとにかく長い。誹謗中傷や侮辱した本人は、捕まるまで、楽観視してしまい直す気は全くない。捕まるまで野放し。刑事にしても失うものがなく、民事にしても支払い能力も怪しい。さらなる法制度見直しを求めたい。
4、それだけ多くの人が「もう泣き寝入りしない」と動き始めた一方で、そこまでしないと人をモノ扱いで傷つける投稿が止まらない今のネット文化に強い苛立ちを感じます。プロバイダ責任制限法の改正で、裁判を二度重ねなくても発信者情報開示をまとめて申し立てられる仕組みが整ったこと自体は一歩前進ですが、「法改正がなければ特定も難しい」ほど匿名での攻撃が野放しにされてきた結果がこの1万件超なのだと思うと、学校やメディアも含めて、もっと早くからネットで人を傷つけることの重さを教え、被害にあった人が相談しやすい窓口を広げるべきだったのではないかと感じます。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/6a72937ea00150dfe79988c9c1ae7793c7e04460,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]