事件概要:2025年1月、トランプ大統領が署名した「出生地主義を制限する大統領令」が米連邦最高裁により違憲と判断された。大統領令は、両親が不法滞在者や一時的なビザ保持者である場合、米国内で生まれても子供に自動的に市民権を与えないことを規定。不法移民対策の一環として提案されたが、憲法修正14条の「米国で生まれた者は市民権を有する」との規定に違反するとの判決が下された。判決では出生地主義が不法移民を助長していると政権側は主張するも、最高裁は過去の判例を踏まえ、1878年の解放奴隷規定がすべての子供を対象にしていると結論付けた。この判決は、トランプ政権の移民政策に打撃を与えた。

コメント:出生地主義を制限する大統領令の違憲判決は、米国憲法修正14条が持つ普遍性とその歴史的文脈に鑑みれば正当なものだ。歴史的に、修正14条は南北戦争後に解放された奴隷とその子供たちの権利保障を目的に設けられたが、この意義は現代でも変わらず、あらゆる人種や背景を公平に扱うべき国家の理念を示す。
今回の大統領令はこの理念を覆す内容であり、移民政策の文脈で制度の骨格を揺るがす危険性を孕んでいる。
本質的問題は、不法移民対策が憲法の理念を犠牲にして進められた点にある。出生地主義の持つ市民権付与の簡易性が移民政策上の課題を生む可能性は認めざるをえないが、その解決策は憲法の枠内で行うべきだ。まず、出生記録管理の徹底、不法移民への徹底した教育や社会適合支援、バースツーリズムの法的規制が候補策となるだろう。これこそが法治国家としての根幹を維持しつつ、問題解決を模索する正道と言える。
憲法の普遍的価値観はその国の道徳的な裏付けであり、政治的な都合でその適用範囲を狭めることは許されない。この判決は、国家の理念を揺るがす政治判断に警鐘を鳴らす意義がある。
ネットからのコメント
1、これは個人的にDonald Trump側の主張にも一理あると思う。極端な話、出生場所だけで自動的に国籍が決まる仕組みだと制度の抜け道が生まれやすい。いわゆる「バースツーリズム」の問題もあるし、不法滞在を助長する側面もゼロではない。
親の国籍や永住資格など、もう少し総合的に判断する仕組みでもいいんじゃないかな。
2、また最高裁がトランプ政権に「それはダメです」と判断を下しました。今回も、大統領だから何でもできるわけではないと改めて示された形です。いったい何件目の違憲なのでしょうか。トランプ政権の政策はこれまで何度も裁判所に違法や差し止めと判断されてきました。トランプ自身が違憲では?と思ってしまいますね。どれだけ強い権限を持つ大統領でも、憲法より上には立てません。今回の判決は、その当たり前のルールを改めて確認した出来事だったと言えます。
3、そもそも大統領令でなんでもやろうとしていることに違和感があります。それどころか、違憲と判断されてもまったく反省することなく、司法を攻撃し、同じようなことを企て、実際に強行しています。物理的に止められない限り、独善的な理屈で押し通すやり方は、イスラエルの手法そのものです。イスラエルに支配されると、このようなことになってしまうのでしょう。いくら民主主義を標榜していても、やっていることは独裁国家そのものです。
世界一の軍事力を持ちながらイスラエルを制御できないこともあり、最も質が悪い独裁国家と言えます。
4、米国憲法の強さを感じる判決です。移民政策として出生地主義を見直したいという議論は分かります。時代に合わない面があるなら、制度として議論する余地もあると思います。ただ、大統領令が憲法を上回ることはできません。最高法規である以上、そこに反すれば止められるのは当然です。一方で、米国憲法は修正が極めて難しいからこそ、時代に合わない制度も簡単には変えられない。そこに憲法国家としての強さと、制度の硬直性の両方があるように感じます。今回の判決は、移民問題の是非だけでなく、権力をどこまで憲法で縛れるのかを示したものだと思います。社会の不満を大統領令で一気に処理するのではなく、憲法を変えるなら正面から手続きを踏むべきです。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/b0586d72e2b2932beea19fd1843c5052aaee5735,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]