5月下旬、高市早苗首相とマルコス比大統領は、日本とフィリピンのEEZ・大陸棚の境界画定に向けた交渉開始で合意した。中国は台湾東側海域を巡り反発し、海警局巡視船を派遣。今月上旬に船を交代させ常駐を継続した。6月末には中国の大学で日比交渉を批判する発言があり、20~23日のASEAN外相会議でも対立が予想されている。

海域の緊張を利用し、実力による既成事実化を進めようとする動きは、地域の安定を脅かす重大な問題だ。国際法に基づく協議よりも、公船の常駐や一方的な主張で相手を圧迫する姿勢が続けば、偶発的衝突の危険は高まる。
本質は、海洋ルールを守る仕組みが政治的圧力によって揺さぶられていることにある。領有権問題を宣伝戦や威圧行動で有利に進めようとすれば、各国の信頼は失われる。必要なのは、①国際法に基づく透明な協議の継続、②海上での偶発衝突を防ぐ連絡体制の強化、③航行の自由を守る多国間監視と協力体制の構築である。
海は一国の力で支配する場所ではなく、世界が共有する秩序の舞台だ。力で線を引く時代に戻るのか、ルールで未来を守るのかが問われている。主張の大きさではなく、法と責任を尊重する国こそが信頼を得る。それこそが成熟した国際社会のあるべき姿だ。
ネットからのコメント
1、今まで中国に不必要に気を使って長年放置してきた問題をここにきて解決しようとする政府の方針を支持します。おそらく事前にスパイなどからこの動きを察知してバンタン諸島の領有権を突然言い始めたのであろうが、日比両国は台湾と緊密に連携して中国など無視して交渉を進めればいい。フィリピンがバンタン諸島の実効支配を維持できるのかかなり不安だが、防衛装備品の移転などを通じて支援してほしいと思いますね。
2、国際海洋法を紙くず同然だと言い放ち、自分たちの勝手な線引きをルールと公言して憚らない国こそ臨検される側に他ならず、台湾海巡署によって中国公船が東側海域で臨検に踏み切るなら、海域の秩序を維持するために介入するという姿勢を日本は見習って欲しいと率直にそう思います。
3、中国が台湾との戦争を企ているのは、太平洋への出口の確保を意図していると思われます。これに対し、日比の排他的経済水域(EEZ)を見ると中国が台湾を支配下においても、太平洋に出て行くにはかなり厳しいと感じられます。今回の日比の海洋交渉は、中国の台湾侵攻の目論見を抑える意図があるものと考えられます。
4、南シナ海の「九段線」の領有権主張を国際裁判所に「国際法上の根拠がなく、中国の主権を認めず」と判断されてるのに「拘束力ない紙くず」と無視してさらに台湾を囲む1本を加えた「十段線」の領有権主張している中国が反発したところで国際社会からの共感を得られるわけがありません。中国が強硬な姿勢を取れば取るほど、各国の対中策が強化されるだけでしょう。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/32398ed6fd9eb130dad49396a3bff240617ed3f0,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]