強迫症(強迫性障害)に苦しむ当事者の体験が紹介された。名古屋市の27歳男性は大学進学後、ノートの書き直しや髪を洗い続ける行為などの症状が悪化し、入浴が朝まで続くこともあった。発症から7年後も治療を継続しながら生活している。三重県の30代女性も感染症への不安から確認行為が増え、治療を受けている。強迫症は生涯有病率が2%台(約50人に1人)とされ、薬物療法や認知行動療法が用いられる。2026年6月からは公認心理師による認知行動療法にも保険適用が拡大された。

強迫症を「ただの潔癖」「性格の問題」と片付ける社会の無理解こそ、患者をさらに苦しめる大きな問題だ。不安を止めたいだけなのに、確認や洗浄を繰り返すほど症状が強まるという病気の構造は、本人の意思の弱さでは説明できない。にもかかわらず、周囲から「気にしすぎ」「考え方を変えればいい」と言われ、孤立する人は少なくない。

本質的な課題は、精神疾患への偏見と、専門的治療へつながる仕組みの不足にある。改善には、第一に学校や職場で精神疾患への正しい教育を進めること、第二に専門医や公認心理師による治療体制を地域ごとに充実させること、第三に早期相談につながる窓口や支援制度を広げることが必要だ。

苦しむ人に「普通になれ」と迫る社会ではなく、治療しながら力を発揮できる社会こそ成熟した社会である。見えない苦痛を「気の持ちよう」で片付ける時代から、科学と理解で支える時代へ変わらなければならない。



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引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/1dbc24fbde1857de06747fcd96f3c6625734714b,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]