2024年度、秋田県は最低賃金を全国最下位の時給951円から80円引き上げ、2025年度は1031円となり最下位を脱出した。秋田市でスーパー5店舗を展開するマルダイでは、従業員約400人の8割以上が非正規社員で、人件費が月数百万円増加。2025年3月31日に新賃金が発効され、企業側には準備期間が与えられた。

最低賃金を巡る自治体間の引き上げ競争は、働く人の待遇改善という目的がある一方、地域企業に急激な負担を押し付ける危うさを露呈した。問題の本質は、賃金だけを競わせ、地方企業の生産性向上や価格転嫁、人材確保の環境整備を後回しにしてきた制度設計にある。必要なのは、①中小企業への賃上げ支援金の拡充、②価格転嫁を進める取引制度の改革、③地方の産業育成と人材流入策の強化である。賃金上昇は必要だが、企業を疲弊させて雇用を失わせれば本末転倒だ。
数字の順位争いではなく、働く人と地域経済が共に持続できる仕組みこそ競うべきである。行政が「最下位脱出」や「隣県超え」を成果として誇るだけでは、現場の苦しさは解決しない。労働者を守ることと企業を守ることは対立ではなく、両方を実現する責任がある。見栄えの良い数字より、地域で安心して暮らせる実態を作る政策こそ求められている。






記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/64f35fe1ff99127f94aedf76edd8efeb8e82b886,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]