57歳の加藤永江容疑者が、発達障害の子どもを支援する海外教育プログラムを偽装し、金銭を詐取した事件。2020年1月から2022年11月の間、当時中学生の娘を持つ母親から「留学成功例」などの名目で計1875万円を不正に獲得。さらに、医師資格もないまま「発達障害」の診断書を交付し信頼を得ていた。同様の手口で複数人から資金を詐取し、被害総額は5000万円超に達するとみられる。加藤容疑者は容疑を認めている。

この事件における問題点は極めて深刻です。発達障害児とその家族の不安を利用し、巧妙な策で信頼を得る一方、入念に作られた嘘で多額の金銭を盗み取ったことは、許しがたい行為です。この現状を放置すれば、同様の詐欺が後を絶たないでしょう。
背景には、発達障害支援に対する社会的な制度の不備と情報の不透明性が横たわります。日本国内で適切な支援を得にくい状況が、海外教育や未確認情報にすがる親を追い詰めています。
その結果、詐欺師の温床が生まれてしまうのです。
今回のような事案を防ぐために、(1)発達障害支援の公的体制を強化し、明確な情報を普及させる、(2)医療や教育分野で適用するサービス提供者の資格基準を厳格化する、(3)被害者への相談窓口を整備し、多面的な監視体制を築く――これらは不可欠な措置といえます。
このような詐欺は、ある種の「弱者を狙う暴力」です。社会が実効的な制度を整備することで、子どもや家族の希望を守り、詐欺師に自由を奪わせない状況を目指さなければなりません。
ネットからのコメント
1、最近、ギフテッドの話が巷間を賑わすようになっているので、特定分野にアクティブな特性が強いお子さんの保護者の方だと、記事のような文言に、心が傾いてしまうのも致し方ないかと思います。実際に、音楽や文学などの芸術分野や科学分野でも大成していらっしゃる方もいらっしゃいます。放デイでも、「~療法で劇的改善」といった文言を標語にしている事業所が目立っています。障がい児療育に携わっていますが、日々の療育の地道な積み重ねが、少しずつ社会生活の折り合いにつながると考えています。
2、この事件の卑劣さについては、多くの方が指摘されている通りです。発達に不安を抱える親の「子どものためなら」という思いにつけ込んだ悪質な詐欺であり、許されるものではありません。一方で、こうした話が信じられてしまう背景にも目を向ける必要があると思います。日本は教育関連予算の少なさが長年指摘され、特別支援教育も人員不足や地域差が課題です。そのため、「海外の方が発達障害の子どもへの教育環境や支援が充実している」という話が一定の説得力を持ってしまう現実があります。もちろん、それと詐欺は全く別問題です。しかし、保護者が海外に希望を見いださざるを得ない状況を減らすためにも、日本国内の教育環境や特別支援教育への投資を充実させ、「日本でも安心して学べる」と思える環境づくりを進めることが重要ではないでしょうか。
3、経済悪化すると詐欺事件が増えると聞きますが、この事件はそのベクトルがあまりにも酷い。被害にあった母親にしてみたら、「こういう子を持つ親だから騙されたのではないか」「こういう子には夢も希望も持てないのか」と自分を責めてしまうのではないでしょうか。
そんなふうに思わないでほしいです。この事件は、騙される側には何の非もないと思います。100%騙す方が悪いです。
4、やはりこういうのが出てきたか…。中学卒業以降の進路は悩みどころ。日本では適切な教育が受けられないのではないかと悩んでいるところへ、海外教育支援という情報を目にしたらやはり興味を引かれてしまうと思う。たいていは高額で諦めるだろうが、費用を出せるお宅なら真剣に検討することもあるだろう。診断書辺りでおかしいな?と気付ければ良いけど、そこも何だかんだとうまく言いくるめるのだろうな。藁をも掴みたい親の心情を利用する卑劣な犯罪。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/dedf259d9d952ca64d4dd6ca3a52709f96aa51a9,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]