高市早苗首相は、ベトナム訪問中の2023年10月2日、ハノイのベトナム国家大学で演説を行い、日本外交の主軸である「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の進化を宣言しました。その中で、①エネルギー・重要物資の供給網強化、②経済フロンティア共創とルール共有、③地域平和のための安全保障協力を三本柱とする新構想を発表。特に、中国によるレアアース輸出規制への対応策として、特定国依存を回避する供給網の強化や公平な競争条件の確保が不可欠であると提言しました。また、地域のデジタル基盤強化やASEAN諸国との連携を図る姿勢を示し、総額100億ドル(約1.6兆円)の対アジア金融支援を活用した具体策を明らかにしました。

高市首相の演説には、現代の国際社会が直面する深刻な問題、特に供給網の脆弱性と経済的威圧を背景にした強い危機意識が感じられます。
一方、中国依存への反発として提示された構想は「具体性不足」という問題を露呈しています。たとえば、レアアースを中心とした重要物資の新たな供給網構築については、具体的な代替手段や実現プランが示されておらず、ただ「目標」を掲げただけに見えます。現状では、日本だけでこの課題を解決するのは困難であり、多国間での協調的な取り組みが不可欠です。第一に、各国における資源開発支援を進めること、第二に、貿易ルールの透明化を徹底すること、第三に、科学技術分野での共同研究や代替資源探索の支援強化が求められます。表面的な宣言にとどまらず、国際的信頼を得るためには、実現可能性の高い戦略が不可欠です。「誰の経済が豊かになるのか」という価値観を取り戻す努力を真に継続しない限り、単なる対中牽制に終わるでしょう。
ネットからのコメント
1、東南アジア諸国で、中国包囲網を言っても、現実的には無理だし、これを今言うのも、国益からもマイナスに働くと言える。東南アジア諸国は国によって、中国、ロシアとも結び付きは強いし、中国は大国になり、中国包囲網で一枚岩にるには不可能と言える。
これで、また中国は神経を尖らすことになる。石油危機になれば、ロシアの原油も必要になることもあれば、中国にも、石油由来の材料、製品を頼ることも起きると言える。
2、「中国を念頭に置いた経済安全保障の強化」という方向性自体は理解できますが、実際にどこまで実効性を持つのかは慎重に見ていく必要があると思います。重要物資の特定国依存を減らす取り組みは不可欠である一方で、その過程で多額の資金を投じた支援や枠組みが、本当に持続可能な形で機能するのかという点も気になります。また、これまで掲げられてきた「力や威圧とは無縁」という表現に触れなかった点についても、対外的なメッセージとしてどう受け止められるのかは注視したいところです。安全保障環境が厳しさを増す中で、強さを示すことと同時に、緊張を過度に高めないバランスや、国民生活への影響を含めた丁寧な説明が求められているのではないでしょうか。
3、今回の高市首相の演説で重要なのは、FOIPを単なる理念外交ではなく、経済安全保障の実務構想へ進めた点ですこれまでFOIPは、自由な海、法の支配、力による現状変更反対といった原則を語る枠組みでしたしかし今は、海を通れるだけでは足りませんエネルギー、重要鉱物、半導体、AI、海底ケーブル、物流まで含めて、どの国にどれだけ依存するかが安全保障そのものになっています中国を念頭に置きつつも、露骨な対中包囲ではなく、ASEANと共に供給網の自律性と強じん性を高める形にしたのは現実的ですホルムズ危機もあり、日本に必要なのは理念だけでなく、危機でも止まらない経済圏を作ることです
4、これも、外交やってますパフォーマンスであり、支持率アップのための手法の一つ。わざわざ外国で喋るのもその一環である。もちろん、強いリーダーシップで、高市の提案に「調印に次ぐ調印」とか言うのなら話は別。演壇で理想論を言う事ぐらいいくらでも出来るし、「一致した」とか「合意した」などと言う口頭の話など、社交辞令の域を出るものでは無い。つまり、幾らカッコ付けても、具体性と実体のない演説の全ては、選挙運動のスピーチと同じである。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/5e5c8931415b2216db5c18715e1ffcfed7c51094,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]