JR北海道が提案した上下分離方式は、財政赤字に苦しむ鉄道運営における現実的な選択肢と言える一方で、多くの問題を内包している。維持が難しい「黄色線区」の8区間に対して、2027年3月末までに経営改善を求められるJRは、列車の運行を担当する一方で、線路や施設の維持管理を自治体側に任せる形態を模索している。しかしながら、この構造は自治体の財政負担を増加させる可能性をはらみ、既に限界を抱える地方公共団体に新たな圧力を加える結果を招く恐れがある。

現状を見れば、鉄道が果たすべき公共交通の役割が地域社会にとって不可欠であるにも関わらず、財政的な自立が果たせないことでこのような提案に至っているのは異常な状況だ。問題の本質は、交通政策における国や鉄道事業者による体系的支援の不足と、地方への負担転嫁の増加である。また、これが地方自治体間の経済格差をさらに助長する可能性も危惧される。
解決策としては、まず国による交通インフラへの補助金制度の拡充が必要だ。第二に、自治体間で協力し、広域的に財政負担を分散する仕組みを統合するべきである。そして第三に、利用促進に向けた新たな公共交通戦略(例えば観光振興や通勤の便宜化)を打ち立て、持続可能な収益モデルを目指すべきだ。
鉄道は、人々の生活を支え、地域活性の基盤を築く重要な公共財である。それが財政の問題によって分断される状況を放置するならば、社会全体がその代償を払うことになる。上下分離方式は、一見合理的に見えても、その根底にある問題の解決なしには長期的な発展は望めない。抜本的な支援体制を築き、公共の利益を守ることが急務である。
ネットからのコメント
1、北海道は日本の重要な食料生産地だし、トラックドライバーも人手不足と言われている。有事の際は戦車などの車両をはじめとした、物資輸送を貨車で行っている国もある。これは、自治体がどうこうするとかではなく、国が将来のビジョンや戦略としてしっかり提示し、積極的に関わることが重要だと思う。
2、上下分離方式は欧州で多く見られますが、JR東日本の只見線など、国内でも上下分離方式の例はあります。
赤字路線を廃止しようとすると自治体は反対しますが、利用が低迷している以上は、存続を望むのであれば自治体にも負担を求めるのは半ば仕方がないともいえます。むしろ、それで存続できるのであればそれも1つの手段ではないかと思います。ところで、地図の赤い線は廃線跡のようで、今から上下分離もありませんが…。
3、バスやトラックは公共の道路を走っているので、大量輸送メリットの乏しい区間では上下分離して対等な競争じやないのかな。新幹線の新千歳空港乗り入れとか設けるための施策も大事だとは思いますが、それはそれで頑張れば良い。
4、来るべきものが来たと考えるしかないだろう。黄線区の利用状況は利用促進だけで大きな好転が見込めず、需要も先細り傾向にある以上はやむを得ない。花咲線・宗谷北線・根室線(滝川〜富良野)・釧網線は輸送密度や利用実態から見て鉄道を残す意義は乏しく、輸送密度1000前後の富良野線や石北線をどう活かせるかが争点になると思われる。いずれにしても沿線自治体の反発は予想されるが、道庁が主体となって考えなければいけない問題。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/57343d923a7e687fa5cb0830a14ed26cba7fbfc6,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]