日本の高市首相が自衛隊に原子力潜水艦(原潜)を導入する可能性に言及し、波紋が広がっています。24日の読売新聞インタビューで「抑止力・対処力向上のため、あらゆる選択肢を検討する」と述べ、同日、私見として「非核三原則」見直しも報道されました。これは、平和憲法に基づく専守防衛原則をさらに形骸化させる動きとされ、中国など近隣諸国の警戒を招いています。
韓国やオーストラリアの原潜保有進展も日本の原潜導入の正当化材料として挙げられた一方、集団的自衛権行使の見直しと併せ、日本国内外で論議を呼ぶ事態となりました。
日本政府による原潜導入検討は、非核三原則を根本から揺るがす重大な問題です。この姿勢は、戦後平和国家として築いてきた国際信用に亀裂をもたらすばかりか、専守防衛の理念を形骸化させつつあります。近年、敵基地攻撃能力保有や集団的自衛権行使に関する動きが活発化している中、国が掲げてきた安全保障政策を、国際的緊張関係や近隣国の軍拡に便乗して安易に変更するべきではありません。
問題の本質は、非核三原則を体系的な議論なく変えることが持つ矛盾とリスク、ならびに軍拡による抑止の増大が必ずしも平和を保障しない現実にあります。日本は唯一の被爆国として、核のない世界を目指す理念を維持する義務がある一方で、防衛力強化を進めるなら説明責任と国民的合意が不可欠です。
まず、国民的議論を通じて国際的責任に基づく方針を明確化することが重要です。また、周辺国との対話や信頼醸成措置を積極的に取りつつ、軍縮外交をリードする姿勢を強化すべきです。
さらに、経済や技術協力を通じて安全保障の側面から地域の安定化を目指す戦略を進めるべきです。
安全保障の名の元で進む軍拡は、国の価値観を揺さぶる危険を孕んでいます。原潜導入が何をもたらすのか冷静に精査し、歴史を知る国としての立場を再確認すべきです。
ネットからのコメント
1、高市首相が原潜導入の検討を表明したとのことですが、一方的に ウクライナに侵攻した ロシアや自衛隊機にレーダー照射した中国などの存在を考慮すれば当然の措置と言えるのではないでしょうか。また、日本の防衛を日米安保条約に頼るのではなく、「自分の国は自分たちで守る」という姿勢が重要なのではないかと思います。表現を変えますと、バイデン前大統領は、ロシアがウクライナ侵攻した際に「核を保有する国とは戦わない」と断言していますが、それは日本有事にも当てはまると解釈するべきです。いずれにせよ、高市首相は原子力潜水艦はもとより、早急に非核3原則も見直す、つまり日本が核を保有した際のメリットやデメリットについても自由に議論する必要があると思います。
2、大統領の対中抑止に対する距離感は、同盟国も自国防衛を一定程度担えというシグナルと見るのが現実的でしょう。
米国は引き続き重要な同盟国ですが、無条件で前面に立つ時代ではなくなっています。日本は、祈りや理念だけに依存せず、抑止の実効性を高める選択を進める必要があります。核保有は国内外の制約が大きい以上、核シェア拡大抑止への関与強化が現実解です。同時に、スパイ防止法、インテリジェンス強化は急務であり、情報戦に弱い現状を放置すべきではありません。憲法9条の解釈と制度を現実に合わせて更新し、自国を守る責任を明確にすることが不可欠です。戦後80年、米国が他国を圧倒していた時代は終わりました。これからは同盟に甘え切るのではなく、守る意思と能力を示すことこそが、結果として日米同盟を強化し、地域の安定と自国の平和をを支える道だと言えるでしょう。
3、素晴らしい。そもそも原発あるし、既にずっと前から核は日本に有ります。世界の情勢によって原潜を持つのは当然の事。中国、ロシア、北朝鮮と敵国に隣接してる日本はいつ戦争になってもおかしくないリスクに常に晒されている。アメリカの国力が低下したら世界が大きく変わるので、自国で防衛出来るチカラを持たねばならないと強く感じる。
覇権国というのは歴史から見てもいずれ変わって行く。そのときに敵国が覇権を握ったら日本は終わりだ。このままでは中国との差は開くばかりで、日本はもっと強行に軍備を増強していっても良いと思う。
4、これも現状致し方ないものと思う。日本に侵略を仕掛けてこようとしている国が存在する以上、防衛は必要。三原則も過去の遺物でしかないし。いつまでも過去の縛りに囚われていても仕方ない。確実に守ってくれるものも無い。それならば、持つものは持ったほうがいい。日本にはそれたけの技術力もあるし、それが国や国民を守ることに繋がるなら、止むを得ないことでもある。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/158cda6a587c7e5ec3a02c7a553dac3c27f933b9,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]