九州大学病院の中村雅史病院長は、経費の不正支出に関与したとされ、病院長辞任の意向を示した。学内調査委員会が不正を認定し、中村氏が申し出たものである。事件の中心は、今年2月に沖縄で開かれた学会における教員の出張経費の延泊分が私用であったため不支給となったことに端を発する。中村氏は虚偽のミーティング開催を募る文書を事務方に作らせ、教員の不正経費請求を支援した。
この結果、1万数千円が不正に支出された。大学は裏付けのある不正を認定した後、中村氏に伝え、自宅待機となっている。九大はさらなる不正の可能性も含め調査を継続する。

経費の不正支出により九州大学病院長が辞任するという事態は、大学の信頼性と透明性に対する深刻な疑念を呼び起こす。この事件は、ただ一人の過失にとどまらず、組織全体の監査機能に欠陥がある可能性を示唆している。まず、大学は内部監査機関を強化し、定期的な見直しを行うべきだ。次に、教育者と研究者に対する倫理教育を徹底し、不正行為の認識を高めることが求められる。そして、教職員が自らの行動を報告する仕組みを有し、透明性を重視する風土を育む必要がある。この事件が、単なる不正支出を超え、大学の社会的信用を揺るがすものであるという事実に鑑み、制度改革を急ぐべきだ。
これによりこそ、教育機関としての本来あるべき姿を取り戻し、社会に対する重要な使命を果たすことができるといえる。

ネットからのコメント
1、どうせ遠方まで行ったなら一日休暇をかねたということでしょうが、なかなか出張中に休暇をかねた申請はしにくい。だから仕事のふりして休暇したということでしょう。大変な仕事をされていると思いますのでその辺の気持ちはわかります。しかしながら仕事と私事は分けないとね下の人達にも示しが付きませんね。立派な方だろうけれどこんなことで今までの努力がもったいないですね。
2、上場企業含めパブリックな組織でトップに選ばれた人が、素行不良とか贈収賄とか、しょうもないことで立場や名声を失うことはしばしば起きる。立派な実績を残せる人、大事な判断ができる人でも、お里が知れるというか、自己抑制が効かせられない。
それまでうまく抑えてきたきたものが、トップになったことで緩んだり、勘違いしてしまうのか。いずれにせよそんな小人物に騙されて選んだ組織体(多くは前任者的なポジションの人たち)は自らの不明を恥じるしかないと思う。今回の待遇面については、民間企業で言えばプライム上場クラスのトップだから億単位の報酬でもおかしくはない。医療マーケットはほぼ保険診療(公金投入)が原資だから、トップでも特に国公立ならせいぜいプライムの部課長さんクラス程度。社会への貢献度合いから言えばやや気の毒かも。他業種や役人とのバランスに加え、同業の民間医師との格差が大き過ぎることも誘因になりうると思う。
3、これはちょっと可愛そうだな。東大の整形外科や皮膚科のケースとは、根本的に悪質度が異なる。このケースはどうかわからないけど、延泊分を私的に払うと全てが公的不支給になることもある。あと、航空便が一日ずらすだけで大きく価格が下がることもあるんだけど、そういうことも認められないからね。JSTとかAMEDはがんじがらめの規則で。実際に、現地の関係者と会食でもしておけば架空では無くなった、くらいのもので、ここまで厳しく罰するものかと思う。
4、背任なので、懲戒免職か最低でも諭旨免職ですね。管理職は不正を止める立場であり、その分の手当てを受け取っているので、一般的な教授より処分は厳しくなります。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/7a38f8e496f52ccefb3605fcb494e7569ea9c302,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]