"母が家を消した日" 第10話
と言うと、周りの女性たちが笑顔で頷いた。
夕方、はへ戻る。の空がオレンジに染まり、の稜線が美しいシルエットを描いていた。綺麗、の底からそうった。
に入るとは夕の準備を始める。元の野菜を使ったシンプルな料理だ。事を終えた、はリビングのソファに座った。はすっかり暗くなり、がいくつも輝いている。京では見ることのできなかった美しい空だ。は静かに過を振り返る。京での活、息子夫婦との々、そしてあの計画。
私は正しかったのかしら。その問いに答えはない。でも悔はしていなかった。自分のを取り戻したのだ。それだけで分だった。
ふとスマートフォンが目に入る。息子からの連絡は1度もなかった。健は元気でいるかしら。配がないわけではない。でも、もう戻ることはできないのだ。はく息をつき、静かに呟いた。
「族というのは、血よりもでつながるものなのよね……」
その言葉が胸に響く。この町で会った々、田さん、所の々、公民館の仲たち。彼らとは血の繋がりはない。でもから支ええる関係だった。これが本当の族なのかもしれない。の目から涙がそっと流れる。でもそれはしみの涙ではなかった。と謝の涙だった。
玄関のかりが優しく部を照らしている。
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はそのを見つめた。私のはここから始まったばかりだ。75きてきてようやく見つけた答え。は何度でもやり直せる、たとえどんな齢になっても。は空を見げた。無数のが静かに輝いている。「も頑張ろう」その言葉と共にはちがった。寝へ向かうに玄関のかりを消したが、のにはしい希望のが灯っていた。
翌朝、はく目を覚ます。またしい1が始まるのだ。窓をけるとたい空気と共に朝が差し込んできた。々がに輝いている。「今もいい1になりそう」とは微笑んだ。この町で、このさなで、の第2のは続いていく。
族に裏切られ、全てを失ったように見えた。でも実は、切な全てをに入れたのだ。自由と、尊厳と、そして本当の幸せを。の物語はここで終わりではない。これはしい始まりなのだ。野の静かな町で、のはようやく本当に始まったばかりなのである。
(完)