"高齢女性を後回しにした受付――絵を替える女性の正体" 第15話
順番を待つということ
それから数かが過ぎた。
診療所の受付にはしい職員が入り、浦さんはに番号札の渡し方や、護師への連絡方法を教えていた。院はに度、受付と護師で患者対応の確認をするを作ったという。
私は薬を受け取りに来るたび、待の案内に目を通した。体調が急に変わったときは受付へ伝えること。受付が護師に連絡すること。順番の判断は医療スタッフがうこと。い文面だが、必なことがかれている。
田さんは以よりで通院することが増えた。々、帰りに私へ話をくれる。
「今は先に、血圧の記録を見てもらったわ」
「よかったですね」
「次は薬をむをもう度相談するの。聞きたいことをいたも、ちゃんと持っていくわ」
彼女の声には、以のような慮がなくなっていた。
ある、診療所の入で、杖をついた女性がち止まっていた。し息ががっているように見えた。私は声をかけるに、浦さんが受付からていくのを見た。
「丈夫ですか。護師を呼びますね」
女性は頷き、浦さんはすぐに奥へ向かった。
待のたちは、番号札をにしたまま、静かにその様子を見守っていた。誰かが満を言うことはなかった。理由が分かれば、順番がすることを受け止められる。
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誰かが苦しそうなときに、見て見ぬふりをしなくていい。
田さんはその、診察を終えてから私の隣に座った。
「今はで来たのね」
「ええ。診察のにしふらついたから、自分で受付に伝えたの。護師さんがすぐに見てくれたわ」
「よかった」
「静子さんに付き添ってもらったのこと、今でも覚えているの。あのとき緒にいてくれたから、私は自分の気持ちを話せた。その、先もちゃんと聞いてくれた」
私は首を振った。
「田さんが話したから、変わったんですよ」
「で話すのは難しいこともあるわ。だから、誰かが隣にいてくれるのはありがたいの」
診療所をると、午のがし涼しくなっていた。田さんは杖を持ち直し、自分の歩幅で歩き始める。私は隣に並び、急かさずに歩いた。
番号札は、ただ患者を並べるためのではない。そこに座っているひとりが、同じように切に扱われるための目印だ。
けれど、具が悪いがいれば、番号だけを見て待たせるのではなく、医療につなぐが必になる。誰がその判断をするのか、待っているにも分かること。困ったときに声をげても、責められないこと。
田さんは、診療所の入で度振り返った。
「次の予約も、自分でってみるわ。でも、そのは緒にお茶をみましょう」
「ええ。あんみつをべにきましょう」
彼女は笑って、また歩きした。
私はその隣を、彼女の歩幅にわせてんだ。