"誕生日に姪を選んだ夫、3年後の再会で絶句" 第15話
満の桜と本物の宝物
あれから、さらに半のが流れた。
抜けるような青空の、満の桜が咲き誇る川敷の公園に、温かなが吹き抜けていた。
「わあーっ! じいじ、ばあば、みてみて! おがいっぱい!」
ピンクのワンピースを着た歳の百ちゃんが、満面の笑みで芝のを駆け回っていた。
その髪はもう、あの痛々しいではない。入れのき届いた、艶やかな黒髪がの差しを浴びてキラキラと輝いている。庭裁判所での続きもすべて無事に完し、百ちゃんと歳の妹のちゃんは、正式に兄夫婦の養子として迎え入れられていた。
「こら百、あんまりると転ぶぞ!」
兄が破顔しながらカメラを構え、義姉が作りのおを広げている。実の両親も、孫とひ孫に囲まれて本当に幸せそうに目を細めていた。
「あーちゃん、おいで! つないであげる!」
百ちゃんが、よちよち歩きをする私の双子の娘・のを優しく握ってくれた。息子の空は、パパである勉くんのにしがみつきながら、桜のびらを懸命に追いかけている。
総勢の、賑やかで温かいお見の席。
そこには、誰かを蔑むようなたい線も、見栄や嘘にまみれた会話も切なかった。ただ、お互いを慈しみ、命の成をびう、本物の族の絆だけが満ちていた。
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「陽菜子、しがたくなってきたかな。ストール羽織る?」
お茶の入った筒を片に、勉くんが私の隣に腰をろした。
「ううん、丈夫。みんなの笑顔を見てたら、のまでポカポカしてるから」
私が微笑むと、勉くんはし照れくさそうにポケットを探り、私の背に回った。
「陽菜子、これ……誕プレゼント」
「え……?」
首筋に、ひんやりとした属の触が触れた。
私の胸元に揺れていたのは、さな本の形をモチーフにした、繊細な透かし彫りのシルバーネックレスだった。ページの央には、つのさな誕が寄り添うように埋め込まれている。
「あの本で会った頃から、陽菜子の読が好きなところ、ずっと素敵だとってたんだ。いつも族を支えてくれてありがとう。これからも、ずっとよろしくね」
勉くんの温かい声が、のに乗って元に届いた。
胸がいっぱいになり、界が涙で滲んだ。
の今。歳の誕に、私はのどん底に突き落とされた。
していた夫に裏切られ、がっていた姪にすべてを奪われ、子供ができない欠陥品だと罵倒されてつで放りされた、あの絶望の夜。
あのの私に、今なら胸を張って教えてあげられる。
腐らずに、真面目に、誰のこともまずにを向いてきていれば、必ず奇跡のような朝が訪れるのだと。
桜のびらが枚、ひらひらと私ののひらにい落ちてきた。
「ママ、みて! おはな、とれたよ!」
空とが、さな両をいっぱいに広げて私の元へと駆け寄ってくる。
「ねぇ、見せてくれてありがとう」
私はを力いっぱい抱きしめ、ちがった。
隣には、私をからし、涯を守り抜いてくれる最の夫がいる。
見げた青空は、どこまでも澄み渡り、私たちの未来をるく照らししていた。