みかん小説
本棚

"雪道を走る父の約束" 第12話

りんごと画用のお守り

京の庫へ戻ったのは、翌の昼だった。健造は荷物をろし、伝票を事務所へ届けた。配係は「ったよりかったな」と言ったが、健造は「途で休みました」と答えた。

田はそれを聞き、黙ってうなずいた。健造が峠で度止まったことも、帰りに仮眠を取ったことも、詳しくは話さなかった。それでも、よりしだけ、無理を続けない選択ができたとった。

会社からへ帰る途、健造は百でりんごをつ買った。荷台に積んだ箱のりんごは、会社の荷物だ。誠への産には、倉庫のが分けてくれた分がある。けれど、帰宅に自分で選んだりんごも持って帰りたかった。

の戸をけると、誠が茶のからびしてきた。

「お父ちゃん!」

健造は、持っていた袋を差しした。誠はりんごを見つけるなり、目を輝かせた。

「青森のりんご?」

「そうだよ。荷物から分けてもらったんだ」

「たこも見てくれる?」

誠は画用を持ってきた。たこには、青い線と赤い線が引かれ、真んにきく「おとうちゃん」といてあった。健造は、胸ポケットのお守りをいした。あのは、これをもらってから京をた。のでも、峠でも、運転席に置いたままった。

「これ、うまく作ったな」

「お父ちゃんが帰ってくるに、緒にばすんだよ」

広告

「じゃあ、今度の休みにやろう」

さち子は、玄関にって健造を見ていた。

「おかえりなさい。ったよりかったね」

「途でちゃんと休んだからな」

健造がそう言うと、さち子はし驚いた顔をした。それから「それがいいよ」と言った。健造は、これまで帰宅するたびに、く次の便へることを考えていた。にいるがいのは仕事だから仕方ないと、自分に言い聞かせていた。

だが、誠の背が伸びるのを見て、祖母の話を切ったことをいし、帰りで眠気に負けかけた自分をうと、これまでと同じり方を続けていいのか分からなくなっていた。

夕のあと、健造は誠と緒にりんごを切った。誠は芯を残して、いくし形に並べる。さち子が「今は話で話したことを、今度はちゃんと聞いてあげてね」と言うと、健造はうなずいた。

翌朝、健造は会社へき、配係に今の働き方について相談した。距便を減らせるか、休憩を取るを作れるか。すぐにすべてが変わるわけではない。けれど、健造は初めて、自分から「このままでは危ない」と伝えた。

昭の、京から青森まで荷物を運ぶのりは、く、寒く、危険もかった。それでも、荷物を待つがあり、帰りを待つ族がいた。健造は、次の便へるに、誠の作ったお守りをしい袋に入れた。

曲がった線も、し折れた角も、そのまま残しておいた。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: