"義実家同居を勝手に決めた夫、私は別の新居へ引っ越した" 第16話
嫌なことは、嫌だと言う
初めの曜。
私は朝、窓をけて部へを入れた。
LDKのさな部。広くはないが、台所の窓からづき始めた桜の葉が見える。
会社までは徒歩分。
曜は目覚ましをかけず、起きてからゆっくり朝を作る。
蔵庫のに卵がつあったので、卵焼きを作った。
甘くするか、しょっぱくするか。
瞬考えて、今はしょっぱい方にした。
誰の好みでもない。
私がべたいだった。
コーヒーをみながら帳をくと、ゆりさんからもらった古いメモ用が今も挟まっていた。
職まで以内。
台所は私が使いやすいように。
週末のどちらかは自分のにする。
最初にいたつの条件は、今の活ですべて叶っている。
そのには、引っ越したに自分できしたつ目の言葉があった。
《嫌なことは嫌だと言う》
さらに、そのにはもうある。
《言ったら、それを聞いてくれると暮らす》
あの、私は何度も「嫌だ」と言った。
回LINEを送った。
目のでも言った。
義両親のでも言った。
それでも正吾には届かなかった。
正確には、届かなかったのではない。
正吾は読んでいた。
聞いていた。
そので、自分が望む答えへき換えていた。
「嫌だ」は「そのうち慣れる」。
「反対」は「解」。
最には「妻の希望」。
だから私は、声をもっときくするのではなく、所そのものを変えることにした。
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自分の荷物を自分の部へ運んだ。
あの、義母から回話がかかってきたことを、今ではしい来事のようにじる。
義母は私が来ると信じていた。
正吾も私が最には来ると信じていた。
とも、私が波をてなかったことを「何をしてもわせてくれる」だと受け取っていた。
けれど、することと同することは違う。
相を切にすることと、自分の活を渡すことも違う。
私はそれを、歳になって初めてった。
買い物から帰り、玄関の鍵をける。
自分の鍵だ。
誰にも相談せず、自分で選んだ部の鍵。
に初めてこの鍵を受け取ったとき、私はのひらで何度もそのたさを確かめた。
今ではほとんど識せずに鍵穴へ差し込める。
部へ入り、買ってきたものを蔵庫へしまった。
午は何をしよう。
本を読んでもいい。
映画へってもいい。
何もしなくてもいい。
誰かを駅へ迎えにく必もない。
誰かの弁当を準備する必もない。
誰にも朝半の朝を命じられない。
夕方になったら、自分がべたいものを作る。
品数は品でも品でもいい。
あの、まだ夫だった正吾は、私の代わりにむ所まで決めた。
私が何度「嫌だ」と言っても、その言葉は度もそのまま扱われなかった。
だから私は、自分でを選んだ。
自分で荷物を運んだ。
自分で鍵を持った。
そしてようやく分かった。
夫婦でも、族でも、誰かのを代わりに決めていいはいない。
誰と暮らすか。
どこで暮らすか。
どんな朝を迎え、休をどう過ごすか。
それくらいは、自分で決めていい。
私はテーブルのにの鍵を置き、窓から入ってくるのをじながら、ゆっくりとコーヒーをんだ。