"50歳の再婚、披露宴で知った夫の嘘" 第20話
誰の嘘にも侵されない(エピローグ)
午。
区の自宅マンションへと続く並を、私はコートのポケットにを入れ、で歩いていた。
澄み切ったの夜空には、たく凛としたがく輝いている。
見げた空の広さに、わずく、たい空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
オートロックをけ、エレベーターで階へがる。
み慣れた自のドアノブにをかけ、鍵をける。
ガチャリという確かな属音。
玄関のかりをつけると、廊の奥から、静かで温かながの空気が私を包み込んでくれた。
お気に入りの欧のローテーブル。
休にしずつ集めてきた観葉植物の鉢植え。
本棚に並ぶ物流管理の専と、好きなミステリー説。
キッチンからは、昨夜煮込んでおいたミネストローネの、トマトとハーブの優しいりが微かに漂っている。
歳での再婚。
そして、わずか数ヶでの破綻。
世の物差しで見れば、私は「再婚に失敗したれな女性」なのかもしれない。
披宴のでマイクを握り、親族ので庭の恥を晒してまで戦った私の姿を、「でげのない女」と嘲笑う者もいるだろう。
けれど、私はの底からっている。
あの、砂の席で波をてないために笑いを浮かべ、夫の嘘に従属していたら、私の魂は今頃、誰かの都のいい具として完全にすり潰されていたはずだ。
の嘘で塗り固められた豪華な居よりも。
自分の汗と誇りで賃を払い続ける、この質素なの方が、何千倍も誇らしく、温かい。
私はさな鍋をにかけ、お気に入りのマグカップに温かい茶を注いだ。
湯気越しに見える窓のには、京の美しい夜景が、どこまでも静かに広がっている。
「私のは、私が決める」
声にして呟いてみると、胸の奥底から、じんわりと温かな勇気が湧きがってきた。
誰にも嘘をつかれない。
誰の嘘にも侵されない。
私ので、私の誇りと共に歩む、しいが。
この部のドアの向こうに、どこまでもく、澄み渡る青空のように待っている。