"凶悪犯と殺処分寸前の猫" 第12話
刺鉄線のない、青くどこまでも広がるインディアナの空がに広がっていた。
に提げた青いキャリーケースので、オレオが格子の隙からの景を物珍しそうに眺めている。
「おい、カーター」
背から声をかけられ、アンソニーが振り返ると、ゲートの脇にリチャード所がっていた。制の子を脱ぎ、穏やかな笑みを浮かべている。
「……所。今まで、ありがとうございました」
アンソニーがくをげると、リチャードは首を横に振った。
「礼を言うのは私の方だよ、アンソニー。君とオレオが、この刑務所を変えてくれた。厳罰と暴力だけではは変わらないということを、君たちがをもって証してくれたんだ」
リチャードはアンソニーの分いを力く握りしめた。
「しいを歩みたまえ。度とここへ戻ってくるんじゃないぞ」
「はい。度と戻りません」
の向かい側に、緑のロゴが入ったAPLのいワゴンがまっていた。運転席からマレア医師がを乗りし、満面の笑みでを振っている。
アンソニーがアスファルトのを渡り、ワゴンの助席のドアをけた。
「おはよう、アンソニー! しい活の始まりね」
「おはようございます、先。……よろしくお願いします」
に乗り込み、シートベルトを締めると、アンソニーはキャリーケースのロックをした。
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パカッと扉がくと、オレオが待ってましたとばかりにびし、アンソニーの膝のにび乗った。をダッシュボードにかけ、フロントガラスの向こうに広がるトウモロコシ畑の平線を、琥珀の瞳を輝かせて見つめている。
「ニャーン」
誇らしげに鳴いたオレオの背を、アンソニーの傷だらけのが優しく包み込んだ。
ワゴンが静かに発し、ハイウェイへと流していく。
サイドミラーので、かつて自分を縛り付けていたの巨な塞が、徐々にさくなり、やがて平線の彼方へと消えっていった。
ラジオから、穏やかなカントリーミュージックが流れていた。
窓をしけると、黄に実った麦穂を揺らす、どこまでも自由で、温かいのが吹き込んできた。
アンソニーはを見つめた。
その顔にはもう、過に怯える獣のはどこにもなかった。の傷ついた猫とともに、しい命を紡ぐための、確かな歩を踏みしたの誇りが満ちていた。
の陽に照らされたハイウェイは、彼らの未来を祝福するように、どこまでも、どこまでも真っ直ぐに続いていた。